ベトナム

世界宗教用語大事典

ベトナム 【Vietnam 越南】

インドシナ半島東部の社会主義共和国。前二世紀以来中国の支配下にあり安南といった。一〇世紀に独立して大越と号し版図を拡大。一九世紀初め現在の領域を統一して越南と号した。一八八三年フランス領となったが一九四五年ホー-チミンのもとにベトナム民主共和国（首都ハノイ）として独立、これを認めぬフランスの介入があったが五四年フランスは撤退、アメリカが介入して五五年南部にベトナム共和国（首都サイゴン）を建てた。だがハノイ政権支持の臨時革命政府ができ、戦争となり米軍は撤兵、七六年南北統一のベトナム社会主義共和国となる。首都ハノイ。竹が多く「竹の国」ともいわれる。中国支配時代から仏教が入り、三世紀の訳経僧康僧会もここで修行した。早くから北部に中国系大乗仏教が入ったが、南部では一四世紀頃からスリランカ系の上座仏教が根づいた。また道教・儒教も文化に影響している。アニミズム的祖先崇拝・英雄崇拝もあり、一七世紀にはカトリックも入り、他にカオダイ教やホアハオ教などの新興宗教もある。→ カオダイ教 ホアハオ教