ヘンリー・ゴールディング及びソノヤ・ミズノの起用を巡って
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「クレイジー・リッチ!」の記事における「ヘンリー・ゴールディング及びソノヤ・ミズノの起用を巡って」の解説
ヘンリー・ゴールディングはマレーシア系イギリス人である。その彼が中国系シンガポール人であるニック・ヤングを演じることが批判された。2017年4月24日、女優のジェイミー・チャン(韓国系アメリカ人)は「『クレイジー・リッチ!』のオーディションを受けたのですが、中国系ではないという理由で選ばれなかったのです」「中国系ではないゴールディングの起用はおかしいと思います。どこで線引きしたのでしょうか。抜け穴は多くあるものなのですね」とインタビューで発言し、それがネット上で炎上する騒ぎとなった。ネットユーザーは「チャンが『ワンス・アポン・ア・タイム』で中国人のムーランを演じていた。それにも拘らず、ゴールディングが中国系の役を演じることを殊更に問題視するのはおかしい」という主旨の批判をした。28日、チャンはインタビューでの発言を謝罪した。12月2日、チャンは自身のTwitterでゴールディングに直接謝罪し、ゴールディングは「インタビューでの発言は文脈を無視して切り取られることがあります。今回の一件もそうでしょう。ですから、謝罪は必要ありません」と応答した。 4月26日、『ザ・ストレーツ・タイムズ』の記者、ジョン・ルイは記事の中でゴールディングの起用を批判した。ルイは日系イギリス人のソノヤ・ミズノが中国系の役に起用されていることにも批判の矛先を向け、映画業界におけるアジア人軽視を糾弾した。こうした批判はやむことがなく、ついにはゴールディング本人がコメントを出す事態に至った。そのコメントの中で、ゴールディングは「私はアジアで16年から17年暮らしました。その期間は私の人生の大部分を占めています。私はアジアに生まれました。私が慣れ親しんできた文化はアジアの文化と同じものです。しかし、人々の中には、それだけでは私をアジア系と認めてくれない人がいます。アジア系であるか否かの境界線はどこにあるのでしょうか」と述べた。 12月2日、オークワフィナはゴールディングの起用を擁護するコメントを発表した。そのコメントの中で、オークワフィナは「私はあの手の批判を好ましく思いません。心が狭いと思います。私は従兄弟たち(両親の片方がアジア系)に囲まれて育ちましたが、その時に学んだことがあります。ハーフの人間はアイデンティティを巡って葛藤するということです。ハーフは両方の世界から拒絶されたように感じるでしょう。ハーフとして生まれた私もそんな気分になったことがあります。もし製作チームがエマ・ストーンをニック・ヤング役に起用したなら、それは良くないことです。しかし、ヘンリーはシンガポールで活動していますし、マレーシア出身でもあります。私はヘンリーがニック役に相応しいと思います」と述べた。 社会学者のナンシー・ワン・ユェンは、「ゴールディングはアジア系ではない」とみなす批判者側の姿勢が民族純化的発想につながりかねないと警鐘を鳴らしている。
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