プロセニアム型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/13 10:00 UTC 版)
プロセニアム・シアターと呼ばれるこの形式の劇場では、舞台と客席とがプロセニアムまたはプロセニアム・アーチと呼ばれる額縁状の構造物によって明確に区切られている。額縁部分には、装飾を施してある場合がしばしば見受けられる。プロセニアムのあるラインには、緞帳と呼ばれる大きな化粧幕を上げ下ろし出来るようになっていることがある。 典型的なプロセニアム・シアターでは、観客はプロセニアムに対して正面を向くように設置された座席に腰掛け、観劇する。開幕の言葉通り、劇の始まりと終わりや途中休憩の際には緞帳が開閉するが、演目や演出によっては全く緞帳を使わない場合もある。この形式はリヒャルト・ワーグナーによるバイロイト祝祭劇場によって完成され、18世紀以降、市民社会の発展と共に広まっていき、現在最も一般的な劇場スタイルとして認知されるに至った。 収容人数は劇場の大きさによってかなり異なる。 舞台の両端は、大道具を隠すことが可能なスペースが確保されている。また舞台の天井は、バトンと呼ばれる棒が何本も渡されており、舞台外から手動もしくは電動で上げ下げできるようになっている。これらの機構を活かした、スペクタクルな舞台演出が可能なのも、このような舞台構造の特徴と言える。 舞台となる領域が額縁で区切られているため、舞台の内側と外側を明確に分けてしまう。そのため、観客との間に心理的な距離が生まれてしまうことがある。これを解消する目的や、演出上の目的のために、舞台前面に仮設の舞台を付け足す場合がある。これを張り出し舞台、もしくは単に張り出しと呼ぶ。
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