プロソポグラフィを用いた歴史研究の発展
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/06/07 06:18 UTC 版)
「プロソポグラフィ」の記事における「プロソポグラフィを用いた歴史研究の発展」の解説
プロソポグラフィ研究の基礎となる、長い間に蓄積されてきた役職者名簿,系図,人名事典等が19世紀末までに整理されたことによって、20世紀に入り急速に発展した。 歴史研究でプロソポグラフィを用いて最初に成果をあげたのは、1913年に「アメリカ合衆国憲法の経済的解釈」で合衆国憲法の成立を建国者たちの経済的,階級的利害の分析によって論じたアメリカのチャールズ・ビアードであるといわれている。同じくアメリカのアーサー・パーシヴァル・ニュートンは経済的関係だけでなくビアードの研究では顧みられていなかった親類関係の要因を取り上げ、さらなるプロソポグラフィの活用を試みている。 プロソポグラフィを用いた歴史研究を大きく発展させたのがイギリスのルイス・バーンスタイン・ネイミアとロナルド・サイムである。ネイミアとサイムは詳細な事例研究を行い、親類縁故,仕事上の付き合い,恩典の貸し借りなどの人物の利害を解明し、プロソポグラフィを用いた歴史の重要問題の見直しを行った。ネイミアとサイムの研究は、その後の歴史研究に大きな影響を及ぼし、事例研究と統計処理はさまざまな分野に採用されることとなった。
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