プログラマー定年説
プログラマ定年説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/13 16:50 UTC 版)
プログラミング技術は進歩が激しく、技術の陳腐化も著しいため、プログラマは常に新しい技術に目を向け習得していくバイタリティや、場合によっては永年の努力によって培ってきた技術を捨て去る柔軟性が必要である。また、年功序列的賃金体系のもとでは、高年齢のプログラマはコストが高すぎると考える企業がある(特にプログラミングを単純作業と考える企業に多い)。俗にIT土方とも呼ばれデスマーチとなった場合は徹夜が続いたり体力が必要となってくる。そのため、プログラマとしての限界は30 - 35歳前後であるという説が存在した。これは「プログラマ35(30)歳定年説」と呼ばれる。現在では経験豊かなプログラマにも一定の需要があり、プログラマ定年説はもはや過去のものとなっているが、コストの観点からは、一定年齢に至ったプログラマに、より単価の高いシステムエンジニアや営業へ転向がすすめられることがある(参考:SEと記者,どちらが短命?、36歳になって思う「プログラマ35歳定年説」)。 パソコンが登場した頃10代だった若者が、現在60代になっており、アメリカ合衆国をはじめ60歳以上のプログラマも珍しくはなくなっている。典型的な事例ではWindows NT開発者で知られるマイクロソフトのデヴィッド・カトラーは70歳を超えてもソースコードを自ら記述しており、実例からも35歳定年説は意味がない。ただし、パソコン黎明期といわれた1980年代においては、30歳代までに巨万の富を稼ぎ、そのまま引退する事例もあった(HyperCard の開発者ビル・アトキンソンなど)。日本では、長時間労働、下流工程での賃金の頭打ちなどにより35歳定年説をささやく人がいる。
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