ブルームバーグの台頭
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「通信社の歴史」の記事における「ブルームバーグの台頭」の解説
1981年10月、マイケル・ブルームバーグ (Michael Bloomberg) が「イノヴェーティヴ・マーケット・システムズ (Innovative Market Systems) 」(のちブルームバーグ (Bloomberg L.P.) に改称)を創業した。 ブルームバーグはソロモン・ブラザーズ (Salomon Brothers) の幹部として活躍していたが、社内抗争が元で解雇された。このとき手にした1000万ドルの退職金を元手に、ブルームバーグと4人の同志は国債価格などの情報を配信するビジネスを開始した。当時は、ダウ・ジョーンズやキャンター・フィッツジェラルドが出資する「マネーライン・テレレート社(Moneyline Telerate, Inc.:以下「テレレート」)」の販売する端末が圧倒的なシェアを誇っており、この分野への新規参入は不可能とさえいわれていた。しかしブルームバーグの開発した端末は、テレレートの製品を凌駕していた。即ち、価格や利率といった情報のみならず、内蔵ソフトがテクニカル分析を行い、「売り」か「買い」かの判断の指針を示すという画期的な機能を有していたのである。 設立当初、ブルームバーグはダウ・ジョーンズからニュースの提供を受けて、端末に流していた。しかし、将来ダウ・ジョーンズがブルームバーグを敵視して情報提供を断ることを懸念して、自前の取材網の確立を模索する。ブルームバーグは1990年2月、ダウ・ジョーンズから引き抜いたマシュー・ウィンクラー (Matthew Winkler) を中心として、「ブルームバーグ・ビジネス・ニューズ」を開始した。金融情報ベンダーとして創業したブルームバーグは、こうして通信社事業に本格参入するに至った。 ブルームバーグが躍進する中、モスクワでは1989年、インテルファクス通信 (Интерфакс) が設立された。ソ連の消滅も影響し、タスの一極集中体制は崩れた。1991年には、慢性的な赤字に苦しんでいたUPIが倒産し、APがアメリカ市場に覇を唱えた。一方ロイターは、インターネットを利用した情報提供に本格的に乗り出した。 世界の通信社の勢力図は、さらなる変動を続けている。
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