フォーク・ソングにおけるその他の伝統
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/07/08 09:39 UTC 版)
「グリーンランドの音楽」の記事における「フォーク・ソングにおけるその他の伝統」の解説
多くのイヌイットのフォーク・ゲームは、同様に歌を軸に展開する。綾とりやかくれんぼ、ジャグリングに押韻あそび、そしてなぞなぞなどである。「のどうた(喉歌)katajjaq 」の伝統もよく知られている。これは、互いに対面して立った、二人の女性のあいだで行われる声の競争である。二人は、喉歌を使ったり、動物の鳴き声やその他の音を模倣して歌をうたう。「カタジュジャク(喉歌遊び)」は、しばしば二人の女性が笑い出すことで終わりとなるゲームである。 ドラム・ダンスやゲームの歌に加えて、グリーンランドのイヌイットは「ピセク・ソング piseq(piserk、個人的な歌)」の伝統も持っている。これらの歌は、深い意味や、スピリチュアルな要素、迷信的な内容を持ち、また説話的で、ドラム・ダンス用に作曲されることがある。歌のゲームに加えて、ピセク及びその他のボーカルの伝統は、多数のスタイルやトーン(音調)を含んでおり、これらのスタイルやトーンは、実演での社会的コンテクストに応じて変化する。例えば、ソフトなボーカルの音調は、説話的な歌における人物の性格描写と、プライヴェートな背景を持つ個人の歌の両方で使用される。 多くの歌は、夥しい音語(vocable,意味を持たない、音だけの単語)や、「アイ・ヤ・ヤインガ ai-ya-yainga 」のような、辞書には載っていない音節のあいだに、少数の実在する単語を、撒き散らしたような形で使用する。イヌイットの歌は、ストロフィック(有節)歌であり、大部分が六個の異なるピッチ(音高)を使用する。歌詞や旋律でのモチーフは、節のあいだで共通している。歌は、その単語の長さとアクセント配置で韻律が決まり、レチタティーヴォに似たスタイルを備える。
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