ビデオ機器における水平解像度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/06/20 15:25 UTC 版)
「水平解像度」の記事における「ビデオ機器における水平解像度」の解説
家庭用のビデオテープデッキの規格として最初に登場したVHSやベータマックス方式、そして後に登場した8ミリビデオでは、230〜250本の水平解像度を確保していた。NTSC方式で定められた規格よりも低いため、放送された番組を録画した場合において、元の放送よりも明らかに画質は低下した。 そのため後に上位規格として、S-VHS、EDベータ、Hi8が登場する。EDベータの水平解像度は500本、S-VHS/Hi-8の水平解像度は400本を確保しており、NTSC方式の規格よりも上回っている。ただし放送規格を上回る解像度は、受信機の場合と違ってスペックの余裕による高画質の保証とはならず、むしろノイズ源になった。そのため一部のS-VHS/EDベータ機器では、TVノイズリダクションと称して、解像度をテレビ放送規格同等まで下げる機能が付加されたものもあった。もちろんカムコーダによる録画や、ビデオソフトであれば、放送を上回る規格であってもその性能を十分に発揮できる。ただしEDベータやS-VHS規格のビデオソフトは、ほとんど販売されずに終わった。 また、S-VHS、EDベータ、Hi8では色差信号の解像度の低さも問題視された。上記の通り人間の目は色の認識能力が低いため、放送規格では色差信号の帯域は輝度信号の帯域の1/3に圧縮されている。そのためVHS、ベータマックス、8ミリにおいても、記録信号の帯域は、輝度に対して色信号は1/3である。ところがS-VHS、EDベータ、Hi8においては、輝度信号のみ帯域を拡張し、色信号についてはそのままだったため(上位互換を確保するためのやむを得ない処置)、色信号の帯域が輝度信号の1/6程度に低下している。 ビデオディスク規格においては、レーザーディスクの水平解像度は400本以上であったが、初期の機器では規格に対して機器の側が対応できておらず、400本を下回るものもあった。DVDについては水平解像度500本を確保しているが、レコーダーにおいては長時間の記録のための低画質モードもあり、このモードを使った場合は400本以下に低下する。いずれも色差信号の帯域は輝度信号の1/3を確保しており、上記のビデオテープデッキ規格のような色差信号の問題は無い。
※この「ビデオ機器における水平解像度」の解説は、「水平解像度」の解説の一部です。
「ビデオ機器における水平解像度」を含む「水平解像度」の記事については、「水平解像度」の概要を参照ください。
- ビデオ機器における水平解像度のページへのリンク