ヒ素汚染
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/01 13:59 UTC 版)
テライ平原の浅井戸にはヒ素が多く含まれており、これを飲用とした住民にヒ素中毒者が出ている。これはヒマラヤの岩石に含まれるヒ素が溶出しているもので、ガンジス川下流域にあたるインド・ベンガル地方およびバングラデシュでも飲用水によるヒ素中毒蔓延の原因となっている。 2004年にネパール政府機関とNGOによって発行された調査書によれば、テライ平原には約80万本の浅井戸があり、そこからサンプリングされたうちの7.4%がネパールの基準値である0.05mg/lを超えており(WHOのガイドライン0.01mg/lでは23.7%)、深さ10m~30mの井戸で砒素の濃度が高かったと報告された。これはテライ平原に住む5.4%が、ネパールの基準値を超す砒素汚染水を飲用していることを示している。2007年~2008年にかけてテライ平原20郡にある112万すべての井戸調査が行われ、調査後の2008年~2009年にかけては中毒対策研修の実施、代替水源(雨水利用、深井戸、表層水など)の提案と建設、家庭用バイオサンドフィルターの配布などの砒素対策が実施された。2010年以降も設備設置やJICAなどの協力を得て中毒防止のための啓蒙活動が継続されている。
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