ヒ素を基盤とする薬剤
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/22 07:18 UTC 版)
「ヒ素の生化学」の記事における「ヒ素を基盤とする薬剤」の解説
長らく知られているその毒性にもかかわらず、またはその毒性ゆえに、ヒ素を含む薬剤や薬液は、医学において、そして偽医療において、21世紀まで続く歴史を持っている。19世紀の初頭から20世紀まで、有毒な亜ヒ酸塩の調合薬である Fowler's solution が販売されていた。有機ヒ素化合物であるサルバルサンは、パウル・エールリヒによって梅毒の治療薬として発見された最初の合成化学療法薬である。サルバルサンによる治療は強い副作用を伴うものであり、1943年にペニシリンに取って代わられた。一方でその関連薬剤であるメラルソプロールは、高い毒性と致死性の副作用の可能性にもかかわらず、現在でもアフリカ睡眠病の第2期の治療に用いられている。 三酸化ヒ素は細胞増殖を阻害し、通常は不死であり無制限に増殖する、あるタイプのがん細胞でアポトーシスを誘導する。また、トレチノインとの併用によって、三酸化ヒ素は急性前骨髄球性白血病 (APL) の第1選択薬としてFDAに承認されている。
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