ヒロシマに残したままの十九の眼とは? わかりやすく解説

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ヒロシマに残したままの十九の眼

作 者
季 語
季 節
夏 
出 典
前 書
 
評 言
 広島在住知人から、以下のような話を聞いたことがあるいつになったら広島」から開放されるのか、「広島」から抜け出していつになったら新し広島を築くことができるのか。もうよろしいのではないか
 戦争の惨禍記憶にとどめ、後世伝え残そうとする事に、いくら力を注いで注ぎ足りことはない。それは日本役割であり、日本人役割であると覚悟しなければならないことであろう戦争知らない世代であっても然りその役割永遠に続く。でもである。
 愛媛県松山市在住相原左義長さんに、このような句があるとはまった知らなかった。この句に出会って手元句集天山』を開いてみたが、この句はなかった。その代わりこのような句が出てきた。
  爆心地一流燈を光源に        左義長
  被爆せし身にて戦前戦後なし
  ヒロシマ入歯磨いて死ねばいい
 他にもそれらしいのは数句ありそうであるが、これ以上要らない相原左義長年譜によれば、まさに19の夏であった。以下に若干引用する
 「昭和20年194519歳
 8月6日、軍の特命により岩国航空隊出向中、広島駅構内にて原子爆弾被爆一行5名中4名は歩いてでも目的地に着かねばならぬ為、私が帰隊惨状報告任に当たる記憶では列車進行方向向かって駅の構内を右に出て国道大きく迂回し海田駅まで歩く。此処から折返し運転汽車乗ったが、海田駅の窓ガラスは皆破損していた。広島駅離れる際し目撃したものは、爆発音一発しか耳にせず、・・・・」
 この後に、広島状況綴られる。おそらく眼をつむれば,未だにその情景が浮かぶのであろう19歳のままなのかもしれない。そこで左義長さんの眼の時間止まっている。60年前時計はとっくに油も切れ、ゼンマイ伸びきっている。時計は動くことを止めても眼がそこから動くことはない。
いつになったら新し時計動き出すのか。決し置き忘れているのではない。
 知人はこうも言っていた。広島すばらしさ世界伝えたい。そのために我々に何ができるだろうか時計ゼンマイを動かすための新しい力はあるんだ。でも一歩前出られない
 季語としての季語はないと思われる。「ヒロシマ」という特殊なイメージ歴史があの情景思い起こさせるし、季節を与えているのである。あえて季語というのであるならば、「ヒロシマ忌」「原爆忌」と言わなければならないであろう。でもそこまで神経質になることはない。「ヒロシマ」で日本人なら十分分かり合えることである。
 
評 者
備 考
 



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