ヒトの血圧
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 03:14 UTC 版)
ヒトの血圧は呼吸、脈拍、体温と並んで生命活動の客観的な徴候となるバイタルサインの一つである。 人間では家庭血圧の正常値は、最高血圧が135mmHg未満、最低血圧が85mmHg未満であり、一方、診察室血圧の正常値は、最高血圧が140mmHg未満、最低血圧が90mmHg未満とされる。血圧が上昇した場合、血圧反射機能により、自律神経を介した反射性の制御が行われ、心拍数が減少し、血管が拡張し、血圧は正常な範囲に戻る。この正常範囲は21世紀初頭のものであり、以前から何回か改定されており、今後も改訂の可能性がある。 正常範囲を超えた血圧が維持されている状態は高血圧(高血圧症)と呼ばれ、生活習慣病のひとつである。また、正常範囲より低い状態は低血圧(低血圧症)と呼ばれる。低血圧は、疲れが取れにくい・慢性的に体がだるい重い・耳鳴りがする・動悸や息切れがする・脳貧血で意識を失いやすい、などの症状は出るが、必ずしも早起きが苦手だとは言えない。このことに関しては医学的に根拠がない。 心臓の収縮力低下、アナフィラキシーショックなど血管の異常な拡張、血液の喪失などによって重要臓器への血流が保てないほど血圧が低下した状態はショック(末梢循環不全)と呼ばれる。この場合、中心静脈圧(静脈血圧)の低下も同時にみられる。 他に、医学的に重要な、特殊な血圧として、肺動脈楔入圧が挙げられる。 血圧は一拍ごとに異なるため、治療方針を決定するためには血圧は4回または5回測定することが好ましい。
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