パナマックス問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/22 13:48 UTC 版)
クルーズ客船の寄港誘致が課題であるが、2000年代の超大型クルーズ船(海面上の高さ〈マスト高〉がパナマックスの高さ制限である57.91mクラス)が横浜ベイブリッジ下(主塔高175m・主塔上端から道路部まで120m=海面から道路部までの高さ約55m)のクリアランス(船が通過できる高さ)を達成できないため、大さん橋に着岸できない。そのため、2009年と2010年の「クイーン・メリー2」の横浜港寄港では、旅客用の大さん橋ではなく、貨物埠頭である大黒埠頭に着岸した。 しかし、本来は貨物埠頭の上、横浜市の中心部である中区から離れているため、横浜への滞在時間が短くなってしまう搭乗客からの不満から、キュナード・ラインは「クイーン・メリー2」の日本寄港地を大阪港に変更したため、横浜市民からはこれを憂う声が高まった。その後、キュナード・ラインは2014年に「クイーン・エリザベス」を寄港させ、干潮時に横浜ベイブリッジを通過することで、大さん橋への接岸を可能にした。 横浜港における横浜ベイブリッジをくぐれない超大型クルーズ船問題の抜本的な解決策として、横浜市では横浜ベイブリッジ外側にある本牧埠頭や大黒埠頭の岸壁を超大型クルーズ船(海面上の高さ〈マスト高〉が55m以上の船)に対応した「客船ターミナル」として再整備する方針を示しており、さらに新港埠頭や山下埠頭にも客船ターミナルを整備することで、今後のクルーズ客船需要を取り込み、市内観光の活性化に繋げるための検討が進められている。2017年からは大黒埠頭にて超大型船への対応を目的とした改良工事に着手し、CIQ施設など新設した上で2019年4月19日より運用を開始した。
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