パック型磁気ディスク装置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/17 04:57 UTC 版)
「磁気ディスク装置」の記事における「パック型磁気ディスク装置」の解説
1956年にIBMがはじめてハードディスクを発売した。直径24インチのディスクを50枚使い、その容量は5MB。1980年代初頭までの大型汎用コンピュータではプラッタの交換ができるものもあったが(ディスクパックと呼ばれた)、現在のハードディスクは大容量化によってデータの読み取り書き込みを迅速に行う必要が生じ、回転速度の高速化及び回転精度の向上が求められるようになった。これにより、プラッタを取り外したり交換したりすることはできなくなった。 密閉型とは違い磁気ヘッドがプラッタの回転前からプラッタ上になく、プラッタの回転速度が上がってからプラッタ上にヘッドが突出する。この為、密閉型のように磁気ディスクパックのプラッタ上に潤滑剤が塗られていない。 ハードディスクを記憶部とし、制御ボード、電源装置、インターフェースの他に、エアーブロー、エアーフィルター、ボイスコイルモーター、交換が可能な磁気ヘッドなどが組み込まれている。 使用されるドライブ数は1台。 ディスクパックは、数枚から10数枚の媒体をヘッドの入る間隔をあけて重ねたもので、背の低いコップを伏せたような形状のプラスチックカバーに入れて保管する。使うときはディスクの装填されていないディスク装置のふたを開け(このとき、磁気ヘッドはディスクの外側に退避している)、カバーをかぶせたままパックを装置に入れて固定、ふたを閉めてスピンドルの回転・ヘッドのエンゲージといった手順を要するもので、交換にはかなりの時間がかかったため、頻繁に交換するような使い方はしないのが普通であった。 小型のものは10M程度、大型のものは100M/200Mのものがよく使われていた(1980年代)。 プラッタ(ディスクパック)は高価なため、若干の不良部分は、そこをスキップするように(バッドトラック処理)不良箇所を指定することで、可能な限り寿命を伸ばすことも行なわれていた。
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