パケット網における輻輳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/04 07:13 UTC 版)
以上の電話システムを主とした説明は(携帯電話など発呼側の近傍の現象を別として)回線交換方式のネットワークにおけるものである。この節では、インターネットなどパケット方式、特にインターネットで使われているInternet Protocol網を支えている、インフラストラクチャにおける輻輳現象と、インターネット・プロトコル・スイートとの関連などについて概観する。 パケット通信では、データがパケットという単位に分割され、端末からいくつもの中継ルーターを経由して相手の端末へ送られることで通信する。ネットワークに流入するデータが増え通信回線の許容量を超えた場合、パケットは中継ルーターにおいて待ち行列にいれられ処理待ちとなる。これが遅延の原因となる。また中継ルーターにおいて待ち行列には限りがあるため、パケットが入りきらない場合は転送待ちパケットのいくつかを廃棄しなければならなくなる。このパケットの配送の遅延や廃棄される状況がインターネットにおける輻輳である。 輻輳が発生すると、ネットワーク利用者はデータ転送がスムーズに行われないことに気づき、データ転送を中止してから同じデータ転送を再び行ったり、複数のアプリケーションからデータ転送をおこなったりする。このような行為により輻輳は悪化する。 TCPなどの通信プロトコルでは、輻輳により再送を自動で行うような物があり、輻輳が悪化する。そのためTCPでは輻輳崩壊へ至らないため、様々な輻輳回避アルゴリズムが考えられている。その核となっているのが、スロースタートと輻輳回避という二つの通信段階である。 1986年10月頃 初期のARPAネットにおいて輻輳崩壊が観測されている。
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