ハロクロミズム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/04 06:12 UTC 版)
ハロクロミズム(英語版)は、pHの変化に伴って物質の色が変化することである。これはpH指示薬の性質であり、周囲のpHが所定の変化をすると分子構造が変化する。この構造の変化はpH指示薬の分子の発色団に影響を与える。例えば、フェノールフタレインはpHの変化に伴って次の表のように構造が変化する指示薬である。 構造 pH0-8.2 8.2-12 条件酸性または中性付近 塩基 色無色 ピンクからフクシャ 色 pHが0-8の範囲では、分子には3つの芳香環があり、すべて中央の四面体sp3混成炭素原子に結合しているため、芳香環のπ結合は共役にならない。芳香環ではその範囲が限られているため、紫外線領域の光しか吸収せず、化合物は0-8のpH範囲では無色に見える。しかし、pHが8.2を超えると、その中心炭素が二重結合の一部になり、sp2混成になり、環内のπ結合と重なるp軌道が残る。これにより、3つの環が共役してより長い波長の可視光を吸収する拡大された発色団を形成し、フクシャ色を呈する。0-12以外のpH範囲では他の分子構造変化により他の色に変化する。詳細はフェノールフタレイン参照。
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