ネーブルオレンジ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 02:49 UTC 版)
ネーブルオレンジは、頂点で第2の果実が膨らんで僅かに突出し、人間のへそ(navel)に似ているのが特徴である。様々な理由で人間の消費向けに栽培されている。一般に、厚い外皮が皮をむきやすくしており、果汁は少なめながら、ジュースに不向きな苦味も少ない。栽培可能地域の広さと長い収穫期間がネーブルオレンジを非常に普及させた。.米国では11-4月にかけて収穫可能で1月-3月が出荷のピークである。 1917年のアメリカ合衆国農務省による研究によると、ブラジルのバイーア州に植えられたセレクタオレンジの枝変わりで、恐らく1810-1820年の間に最初のネーブルオレンジが生まれたとされている。この突然変異で、オレンジは茎と逆側の底部に第2の果実を(大きな第1果実の皮内部に)生じさせた。ネーブルオレンジは1824年にオーストラリアへ、1835年にフロリダ州へと導入された。1873年、 カリフォルニア州に原木の株が2つ植えられ、そこでの果実が「ワシントン」ネーブルとして知られていった。この栽培品種は非常に成功し、急速に他国へと広まった。 この突然変異で種が無くなったため自家繁殖できず、他のミカン属果樹に接ぎ木するのがネーブルオレンジを栽培する唯一の方法となった。ちなみに、日本で出回っているほとんどのネーブルオレンジは、このワシントンネーブルが起源となっている。 現在、ネーブルオレンジは挿し木と接ぎ木による伝播が続けている。これは一般的な育成選択の手法が使えないためで、全てのネーブルオレンジは単一の約200年前の木から生じた果物だと見なすことができる。原木と全く同じ遺伝的構成を有しており、クローンである。これは、一般的な黄色の種なしキャベンディッシュ (バナナ)やグラニースミス (リンゴ)の場合と同様である。滅多には起きないが、更なる突然変異が新たな品種をもらたらすことがある。
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