ナポリ帰郷後の後期代表作
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「ルカ・ジョルダーノ」の記事における「ナポリ帰郷後の後期代表作」の解説
1700年にカルロス2世が死去すると、経済的にも成功していたジョルダーノはナポリに帰国する。慈善活動に多額の金を使い、特に貧しい年少の芸術家たちへの支援は惜しまなかった。彼は「優れた画家とは大衆に好かれる画家のことであり、そして大衆はデザインよりも色彩により惹かれるものである」という言葉を残している。 ジョルダーノは驚くほどに器用な画家で、そのことは逆に彼の作品を浅薄な印象を持つものにすることさえあった。彼はローマとナポリに数多くの作品を残しており、ナポリにある後期の代表作として、ジロラミーニ教会の「Christ expelling the Traders from the Temple」、サン・マルティーノ修道院 (en:Certosa_di_San_Martino) のフレスコ画「ユディトの勝利 (Triumph of Judith) 」、カルトゥジオ会修道院所蔵の「Moses and the Brazen Serpent」、ジョルダーノ自身の墓がある聖ブリギット教会の天井画などがある。 ナポリ以外にある後期の代表作としては、ベルリン美術館所蔵の「パリスの審判 (the Judgment of Paris)」、ローマのコルシーニ宮殿 (en:Palazzo_Corsini) のギャラリー所蔵の「教会のキリストと博士 (Christ with the Doctors in the Temple)」などがある。 また、ジョルダーノは最晩年に、コルシーニ礼拝堂、メディチ・リッカルディ宮などに、後世にも影響を及ぼしたフレスコ画を残している。若年期には彫刻作品も作成しており、「バアル信徒の虐殺 (Slaughter of the Priests of Baal)」などにその多彩な才能を確認できる。そのほか、鏡やキャビネットなどの装飾も手がけており、これらの作品はイタリアの多くの宮殿で見ることができる。 ジョルダーノに師事した弟子たちのなかで一番有名なのはパオロ・ディ・マティス (en:Paolo de Matteis) である。しかしジョルダーノは直接の弟子たち以外にも、同時代、後世の画家たちに多大な影響を与えている。ヴェネツィア派のジョバンニ・バッティスタ・ランゲッティ (en:Giovan Battista Langetti)、ジョバンニ・コーリ (en:Giovanni Coli)、フィリッポ・ゲラルディ (en:Filippo Gherardi) たちにも影響を与えたといわれる。そのほかジョルダーノの弟子ではファン・アントニオ・ボウサス (en:Juan Antonio Bouzas) や、ジョバンニ・バッティスタ・ラーマ (en:Giovanni Battista Lama) などが有名である。
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