ナブメトンとは? わかりやすく解説

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ナブメトン

分子式C15H16O2
その他の名称ナブメトン、BRL-14777、Nabumetone、4-(6-Methoxy-2-naphtyl)-2-butanone、Relafen、レラフェン、2-(3-Oxobutyl)-6-methoxynaphthalene、1-(6-Methoxy-2-naphtyl)-3-butanone、レリフェン、Relifen
体系名:4-(6-メトキシナフタレン-2-イル)-2-ブタノン、4-(6-メトキシ-2-ナフチル)-2-ブタノン、2-(3-オキソブチル)-6-メトキシナフタレン、1-(6-メトキシ-2-ナフチル)-3-ブタノン


ナブメトン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/01 05:13 UTC 版)

ナブメトン(Nabumetone)とは、2-(3-オキソブチル)-6-メトキシナフタレンのことである。つまり、ナフタレンの2位と6位に置換基が付いた化合物である。非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)には酸性を示す官能基を持った化合物が多数存在する中で、ナブメトンは非ステロイド性抗炎症薬の1種でありながら酸性の化合物でないという特徴を持つ。CAS登録番号は42924-53-8。なお、ナブメトンには様々な別名が存在するものの、本稿では以降、ナブメトンという呼称に統一する。




注釈

  1. ^ シクロオキシゲナーゼ(COX)のうち、COX1よりも、COX2を強く阻害する非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、何もナブメトンだけではない。例えば、エトドラクもそのようなNSAIDsである。また、コキシブ系NSAIDsのセレコキシブなどに至っては、COX2を選択的に阻害する。
  2. ^ 参考までに、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)のヒト生体内での半減期を幾つか挙げておく。いずれも健康なヒトの成体の場合、かつ、徐放製剤になっていない場合で、イブプロフェンの半減期は約2時間、ジクロフェナクの半減期は約3時間。なお、ナブメトンの活性化体である6-メトキシ-2-ナフチル酢酸とほぼ同じ構造を持つナプロキセンの半減期は、約14時間と比較的長い。ただし、アンピロキシカムの半減期が約40時間、オキサプロジン英語版の半減期が約50時間であるように、ナブメトンの半減期はNSAIDsの中で最長というわけではない。
  3. ^ 参考までに、ナブメトンの活性化体である6-メトキシ-2-ナフチル酢酸とほぼ同じ構造を持つナプロキセンもまた、腎臓から尿中へと排泄されやすいことが知られている。
  4. ^ COX1は様々な組織で恒常的に発現しており、例えば、胃ではCOX1がプロスタグランディン類を合成することで粘液の生成を促すしているのに、このCOX1が阻害されてしまうと胃の粘液が減少して胃に障害が出やすくなる。つまり、非ステロイド性抗炎症薬の代表的な副作用である胃障害は、COX1を阻害することに大きな原因があると考えられている。まして、プロドラッグではない非ステロイド性抗炎症薬を経口投与した場合は、胃に直接悪影響を与えかねない。これに対してCOX2は、何らかの異常事態が発生した時、例えば、炎症が起こっている場所などに発現するので、このCOX2だけを阻害できれば、理屈の上では、抗炎症作用のように都合の良い作用だけを引き出せて、COX1を阻害したことによる様々な副作用を起こさなくて済むというわけである。ナブメトンの場合は、COX1よりもCOX2を強く阻害するだけであるものの、理屈の上では、ナブメトンの用量が少なければ、COX2は比較的強く阻害されているのに、COX1はあまり阻害されないということが起こり得る。
  5. ^ 参考までに、シクロオキシゲナーゼ(COX)のうち、COX2を選択的に阻害するコキシブ系NSAIDsのセレコキシブにも同様の問題が見つかっている。同じくCOX2を選択的に阻害するコキシブ系NSAIDsのロフェコキシブ英語版などに至っては、この問題によって市場からの撤退を余儀なくされた。既述の通り、ナブメトンはCOX2を選択的にとまではゆかないものの、COX2をより強く阻害する。
  6. ^ 17歳の女性の場合、2016年現在の日本では1日1回800 mgが標準的な投与量とされている。15 g は、その18.75倍に当たる。

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