ドイツロマン主義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 07:05 UTC 版)
「オクシデンタリズム」の記事における「ドイツロマン主義」の解説
「リベラル」、「啓蒙主義」、「ニュートン力学」、「反知性主義」、「感情主義」、および「蒙昧主義」も参照 かつて非西洋世界では、ドイツロマン主義は魅力的と認識されていただけでなく、崇敬の対象だった。ロマン的なドイツ思想家(たとえばフリードリッヒ・ヴィルヘルム・シェリング)の胸像が運び込まれ、拝まれることさえあった。『反西洋思想』は次の通り論じている。 ドイツロマン主義は、他の西ヨーロッパのロマン主義と異なり、単なる文学・芸術運動ではない。非常に強い政治的、社会的意味合いを帯びていた。シェリングは著書『自然哲学』で、宇宙を有機体として描き、一定のゴールを目指して動いていくものとした。これはアイザック・ニュートンが提唱した「力と原因によって動くメカニズムとしての自然」、つまりゴールを持たない自然という考え方とは正反対だった。 シェリングの「有機体」という概念は、西洋の利己的な心を避ける方法を示唆しており、共同体のゴールを目指して動く生きた有機体としての社会という考えをも提供するものだった。それはまた、契約によって結ばれる個人が構成する集合体という、社会についてのリベラルな概念のアンチテーゼでもあった。 こうしたドイツロマン主義に触発され、西洋社会(イギリス・フランス共和国・オランダ等)に対して「正反対の社会」を見る思想が生まれた。
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