トルネーシアン階の産地
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/14 00:29 UTC 版)
「ローマーのギャップ」の記事における「トルネーシアン階の産地」の解説
ローマーのギャップが最初に認められて以降長年の間、トルネーシアン期の四肢動物化石が堆積している産地は2箇所しか知られていなかった。その2箇所のうち1つはイギリスのスコットランドに位置するイースト・ロージアンで、もう1つはカナダのノバスコシア州ブルー・ビーチである。後者では1841年にカナダ初の地質調査監督ウィリアム・エドモンド・ローガン(英語版)が四肢動物に由来する足跡化石を発見していた。ブルー・ビーチでは何百ものトルネーシアン期の化石を展示する化石博物館が営業されている。ブルー・ビーチではロゼッタストーンにもなぞらえられる2000を超える陸上脊椎動物の足跡化石が発見されているほか、節足動物の足痕や初期のシダ植物まで産出しており、現状最古の陸上生態系の様子を提示されている。 2012年、スコットランドのトルネーシアン階に相当する化石産地から3億6000万年前から3億4000万年前の生物化石約250点が報告された。この中には基盤的両生類の化石も含まれており、ツイード川の河口付近から産出したこの生物にはリボ (Ribbo) という愛称がつけられた。2016年にはさらに5種がスコットランドのバーウィックシャー(英語版)から報告された。かつては1種類しか知られていなかったハイギョも新たに7種類が報告されており、スコットランドは当時を理解するために重要な場所になっている。 これらの産地にはバーンマウス(英語版)の海岸、ホワイトアッダー・ウォーター(英語版)の土手、チャーンサイド(英語版)周辺、コールドストリーム(英語版)周辺のツイード川、フォース湾沿いのタンタロン城(英語版)付近の岩石がある。水棲四則動物と陸棲四則動物の両方の化石がこれらの産地から知られており、両者の生息環境における重要な化石記録を提供し、ローマーのギャップを埋める働きをしている。これらの新しい産地は互いの距離が近く、数多くの魚類が近くの同時期のフォールデンの魚類ボーンベッド産地と共通していることから、より大規模の動物相が産出する可能性もある。イースト・カークトン採石場(英語版)と同様に、この産地の四肢動物はスタン・ウッドらの長期に及ぶ発掘調査で発見されている。
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