ディアーヌ・ド・ポワチエの寝室
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「シュノンソー城」の記事における「ディアーヌ・ド・ポワチエの寝室」の解説
フランス王アンリ2世からシュノンソー城を与えられた愛妾ディアーヌ・ド・ポワチエが使っていたのが、この部屋である。1559年、アンリ2世が馬上槍試合の一騎討ちで自分のスコットランド衛兵隊長モンゴムリ伯ガブリエルに殺されると、残された王妃カトリーヌ・ド・メディシスはシュノンソーを自分に返すようディアーヌに命じ、代わりにショーモン城の城をディアーヌに与えた。 格間で飾られた天井同様、フォンテーヌブロー派のフランスの彫刻家ジャン・グージョン作製の暖炉には、アンリ2世とカトリーヌ王妃のイニシャルが刻まれている。絡み合ったHとCは、ディアーヌのDをも形作っているように見える。 17世紀初期から始まった4柱式ベッドとアンリ2世の肘掛け椅子は、コルドバ革で覆われている。暖炉には、ソヴァージュによるカトリーヌの肖像画(19世紀)がかけられている。 16世紀フランドル派のかなり大きなタペストリーが描写するのは以下のものである。 力の勝利 - 2匹のライオンが引く二輪戦車を操縦する。周囲には旧約聖書の場面が描かれる。上のへりに沿って、ラテン語で「全身で天の恵みを受け止め、ピエタの指示にしりごみしない者」と書かれている。 慈善の勝利 - 二輪戦車には、聖書のエピソードに囲まれ、心臓を手に持ち、太陽を指差している。ラテン語で「危機に直面して心臓の強さを示し、死の時にあって罪と罰からの救いという報酬として受け取れる者」と書かれている。 窓の左には、ムリリョの「聖母子」がある。暖炉の右には、18世紀イタリア派の絵画がある。「脱衣するキリスト」、リベラが師事したリバルタによる絵である。この絵の下にはシュノンソー城に関する古記録を収めた本棚がある。そのうちの1冊がショーケースに展示されており、トマ・ボイエとディアーヌ・ド・ポワチエの署名を見ることができる。
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