テネイシンC
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/02 05:39 UTC 版)
テネイシンCの構造を、ヒトのテネイシンCの単量体のドメイン構造で説明する(図)。 左のN末端側から右のC末端側へと説明する。なお、4つの遺伝子ファミリー(テネイシンC、R、X、W)の中で、テネイシンC(tenascin-C)が最もよく研究されている。 N末端側に6量体会合部分がある。 7回(heptad)繰返し構造がある。 上皮成長因子(EGF)様繰返し構造が14個半ある。上皮成長因子レセプターと結合する。 フィブロネクチンIII型モジュールが8個+9個ある。6個目から9個の斜線部分は選択的スプライシングが起こる。選択的スプライシングにより、マウス脳で27種のmRNAが検出されている。アイソフォームは、発生過程や癌で特異的に発現すると想定されるが、役割との関係ははっきりしない。 右のC末端側にフィブリノーゲン(FG)領域がある。フィブロネクチンIII型モジュール領域とフィブリノーゲン(FG)領域は、インテグリン、プロテオグリカン、アネキシンⅡレセプタータンパク質、ヘパリン、免疫グロブリン系細胞接着分子、フィブロネクチン、コラーゲンなど、たくさんの分子と結合する。 分子量は結合糖鎖によりさまざまである。ヒトのテネイシンCの単量体は200 kDaから300 kDaである。テネイシンは単量体が6本集合した6量体なので、分子量は、1,200 kDa~1,800 kDaと巨大である。
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テネイシンC
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テネイシンCの培養細胞への作用は、多様な結合分子から推察できるように、かなり複雑である。 初期に、テネイシンは、細胞接着の阻害作用があるとされ、阻害作用の仕組みは、テネイシンが細胞接着分子であるフィブロネクチンに結合することで、フィブロネクチンのシンデカン(syndecan)への結合を阻害するためだと理解されたが、フィブロネクチンが活性化する接着キナーゼやRho仲介の細胞内情報伝達を阻害しているという報告もある。 テネイシンCは、胚発生過程で神経、筋、血管系に出現するが、成体になると通常は、腱関係の組織以外には検出されない。ただ、成体でも癌の組織構築や炎症部位の組織修復で急速に発現する。 ところが、テネイシンCを遺伝的に欠損させたマウス(ノックアウトマウス)は、一見、正常に生育した。
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