上皮成長因子とは? わかりやすく解説

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じょうひ‐せいちょういんし〔ジヤウヒセイチヤウインシ〕【上皮成長因子】


上皮増殖因子


上皮成長因子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/04 05:45 UTC 版)

上皮成長因子(じょうひせいちょういんし、Epidermal Growth Factor; EGF)は、53アミノ酸残基及び3つの分子ジスルフィド結合から成る6045 Daタンパク質。細胞表面に存在する上皮成長因子受容体 (EGFR) にリガンドとして結合し、細胞の成長と増殖の調節に重要な役割をする。上皮増殖因子上皮細胞成長因子上皮細胞増殖因子とも呼ばれる。胃酸分泌抑制因子β、ウロガストロンβと同一物質である[1]1962年、マウス新生児に投与すると成長を促進する物質として、スタンリー・コーエンらによって唾液腺から発見された[2]

機能

EGFは高い親和力細胞表面の特異的な受容体に結合することで、受容体に備わるタンパク質チロシンキナーゼ活性を刺激する。受容体のチロシンキナーゼ活性はシグナル伝達カスケードを開始して、最終的にはDNA合成と細胞増殖に導く。

多様な生化学的変化がシグナルカスケードの反応で細胞内で起き、それらの変化には細胞内カルシウム水準の上昇、糖分解及びタンパク質合成の増加、そして上皮成長因子受容体(EGFR)の遺伝子を含む明らかな遺伝子発現の増加などがあり、全てが有糸分裂の準備である。

EGFRの変異はその直接の活性化を起こして、制御不可能な細胞分裂を引きおこし、がんの始まりとなりうる。EGFRの変異はいくつかのタイプのがんで同定され、抗がん治療の標的として注目されている。詳しくは上皮成長因子受容体を参照のこと。

遺伝子

ヒトEGF遺伝子は、4番染色体長腕 (4q25) に存在する[3]

参考文献

  1. ^ 塩沢俊一『膠原病学』(5th)丸善出版、2012年、123頁。 
  2. ^ Cohen S. "Isolation of a mouse submaxillary gland protein accelerating incisor eruption and eyelid opening in the new-born animal." Journal of Biological Chemistry,237, 1962, p.p. 1555–1562. PMID 13880319
  3. ^ Entrez Gene: EGF epidermal growth factor
  • Carpenter G, Cohen S. "Epidermal growth factor." Journal of Bioliogical Chemistry, 265, 1990, p.p. 7709-7712. PMID 2186024

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