チームのレーシングトレーラ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/22 05:02 UTC 版)
「トランスポーター (モータースポーツ)」の記事における「チームのレーシングトレーラ」の解説
一般的に多くのF1チームが、ヨーロッパに本拠地を構えている。年間の内の半分以上がヨーロッパで開催されるため、陸続きを移動する利便性を考えれば巨大なトラックをレーシングトレーラとして利用するのが好ましいためである。通常、チームはレースが開催される1週間前よりサーキットや市街地コースなどの競技会場に到着し、トレーラに搭乗するクルー達はその週の金曜日までにはさまざまな準備を行う。そのため、F1では「レースウィーク」と呼ぶ。クルー達はトレーラに搭載されているF1マシンを降ろすことからはじめる。 F1におけるレーシングトレーラには大まかに分けて2種類のものがある。1つは先述のようにマシンの輸送を主な目的としたトレーラであり、もう一つはチームスタッフがレースウィーク中に生活するためのトレーラである。後者のトレーラはマシンのテレメトリデータを管制するコンピュータやレースを行うために最低限必要な工具各種、備品、飲料、食料だけでなく、1台のトレーラ、あるいは複数台のトレーラと合体させる。これらのトレーラは1つのレースごとに完全に解体され、それを組み立てることによって仮設のチームキャンプになる。この建物内にはトイレやシャワールームだけでなく、マシンの走行データやサーキット特性など各チームが参加し続けてきた期間に集積されたデータの集大成を管理するOAルーム、チームが会議を行うためのミーティングルーム、チームスタッフ用のレストラン、報道機関、テレビ局のために開放されるインタビュースペース、ドライバー専用の控え室、ゲストルームまで完備している。これらの車両は各チームが所有しており、一通りの生活ができることから、キャンピングカーと同義語でもある「モーターホーム」と呼ばれる。当然ながら、これらの車両は完全なオーダーメイドであり、チームの財政状況によってレース会場に導入するレーシングトレーラの数も組み立てて完成するモーターホームの規模も異なる。チームは定期的に新しい設計のモーターホームを披露することがあり、その際にはメディアや他チームなどから大勢の見学者が訪れる。ただし、トレーラはパドックと呼ばれるエリアに停車するようにF1レギュレーションによって厳格に定められているため、パドックパスを持たない一般の観客の立ち入りを禁じている。 なお、トレーラとチームトラックを競技会場に到着後すぐに組み立てる作業も、そしてレース終了後に解体する作業も手馴れたチームクルーを大勢使っても1日半以上かかると言われている。
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