ダーシー・ド・ネイス男爵とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > ダーシー・ド・ネイス男爵の意味・解説 

ダーシー・ド・ネイス男爵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/01 04:43 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

ダーシー・ド・ネイス男爵英語: Baron Darcy de Knayth)は、1332年に創設されたイングランド貴族男爵位である。初代男爵はジョン・ダーシー英語版(c.1290–1347)で、継承資格は初代男爵の男女両系の相続人(heirs general)と定められた[1]

6代男爵フィリップ・ダーシー(1397–1418)が死去すると、爵位は2人の娘の間で停止状態になったが、1641年に国王チャールズ1世の決定により、コンヤーズ・ダーシー英語版(1570–1654)が爵位を継承して7代男爵になった。コンヤーズはコンヤーズ男爵位の継承に対しても請願を行って認められた。[1]このときの特許状では両爵位ともに継承資格を男系子孫(heirs male)に限定されたが、貴族院特権監督委員会による1903年の裁決では1641年の特許状が停止状態の解消のみを決定し、継承資格は男女両系の相続人(heirs general)のままであると判定された[2]

7代男爵の息子にあたる8代男爵コンヤーズ・ダーシー英語版(?–1689)は1682年にホルダーネス伯爵英語版に叙され、以降ダーシー・ド・ネイス男爵位はホルダーネス伯爵の従属爵位となった。4代伯爵(11代男爵)ロバート・ダーシー(1718-1778)の死去に伴いホルダーネス伯爵位は廃絶するが、4代男爵の娘アメリア・オズボーン(1754–1784)がダーシー・ド・ネイス男爵位の継承を主張した。アメリアは短期間ながらカーマーゼン侯爵フランシス・オズボーン(1751–1799)(後の第5代リーズ公爵)と結婚しており、2人の間の息子である第6代リーズ公爵ジョージ・オズボーン(1775–1838)デ・ジュリ(法律上)の第13代男爵になった[1]

1859年に第7代リーズ公爵フランシス・ダーシー=オズボーン(1798–1859)が死去すると、ダーシー・ド・ネイス男爵位とコンヤーズ男爵位はリーズ公爵位から分離した。7代公爵の長女の長男サックヴィル・レーン=フォックス(1827–1888)が両男爵位の継承を主張したが、1888年に彼が死去すると両男爵位は再び停止状態になった。コンヤーズ男爵位の停止は1892年にレイン=フォックスの長女ヤーバラ伯爵夫人マーシア・ペラム英語版(1863–1926)による継承が認められたことで解消され、ダーシー・ド・ネイス男爵位の停止は1903年9月29日にレイン=フォックスの次女ポウィス伯爵夫人ヴァイオレット・ハーバート英語版(1865–1929)による継承が認められたことで解消された。[1]

ダーシー・ド・ネイス男爵(1322年創設)

  • 初代ダーシー・ド・ネイス男爵ジョン・ダーシー英語版(1347年没)
  • 第2代ダーシー・ド・ネイス男爵ジョン・ダーシー(1317年 – 1356年)
  • 第3代ダーシー・ド・ネイス男爵ジョン・ダーシー(1351年 – 1362年)
  • 第4代ダーシー・ド・ネイス男爵フィリップ・ダーシー(1341年 – 1398年)
  • 第5代ダーシー・ド・ネイス男爵ジョン・ダーシー(1376年 – 1411年)
  • 第6代ダーシー・ド・ネイス男爵フィリップ・ダーシー(1397年 – 1418年) - 死去に伴い爵位が6代男爵の娘2人の間で停止
    • エリザベス・ダーシー - サー・ジェームズ・ストレンジウェイズ英語版と結婚
    • マーガレット・ダーシー - サー・ジョン・コンヤーズ・オブ・ホーンビー(Sir John Conyers of Hornby)と結婚。2人の孫初代コンヤーズ男爵ウィリアム・コンヤーズ英語版が7代ダーシー・ド・ネイス男爵の先祖にあたる
  • 第7代ダーシー・ド・ネイス男爵コンヤーズ・ダーシー英語版(1570年 – 1654年) - 1641年、停止状態が解消
  • 初代ホルダーネス伯爵・第8代ダーシー・ド・ネイス男爵コンヤーズ・ダーシー英語版(1689年没)
  • 第2代ホルダーネス伯爵・第9代ダーシー・ド・ネイス男爵コンヤーズ・ダーシー英語版(1620年頃 – 1692年)
  • 第3代ホルダーネス伯爵・第10代ダーシー・ド・ネイス男爵ロバート・ダーシー(1681年 – 1722年)
  • 第4代ホルダーネス伯爵・第11代ダーシー・ド・ネイス男爵ロバート・ダーシー(1718年 – 1778年) - 死去に伴いホルダーネス伯爵位廃絶、ダーシー・ド・ネイス男爵位休止
  • 法律上の第12代ダーシー・ド・ネイス女男爵アメリア・オズボーン(旧姓ダーシー、1754年 – 1784年)
  • 第6代リーズ公爵・法律上の第13代ダーシー・ド・ネイス男爵ジョージ・ウィリアム・フレデリック・オズボーン(1775年 – 1838年)
  • 第7代リーズ公爵・法律上の第14代ダーシー・ド・ネイス男爵フランシス・ゴドルフィン・ダーシー=オズボーン(1798年 – 1859年)
  • 第12代コンヤーズ男爵・法律上の第15代ダーシー・ド・ネイス男爵サックヴィル・レーン=フォックス(1827年 – 1888年) - 1888年、爵位停止
  • 第16代ダーシー・ド・ネイス男爵ヴァイオレット・アイダ・エヴリン・ハーバート英語版(1865年 – 1929年) - 1903年、停止および休止状態解消
  • 第17代ダーシー・ド・ネイス男爵マーヴィン・ホレイショ・ハーバート英語版(1904年 – 1943年)
  • 第18代ダーシー・ド・ネイス女男爵ダヴィナ・マーシア・イングラムス英語版(1938年 – 2008年)
  • 第19代ダーシー・ド・ネイス男爵カスパー・デイヴィッド・イングラムス(1962年 – )[1]
    • 法定推定相続人は19代男爵の長男トマス・ルパート・イングラムス閣下(Hon. Thomas Rupert Ingrams、1999年 – )[1]

出典

  1. ^ a b c d e f Mosley, Charles, ed. (2003). Burke's Peerage, Baronetage & Knighthood (英語) (107 ed.). Burke's Peerage & Gentry. pp. 1026–1029. ISBN 0-9711966-2-1
  2. ^ "Darcy de Knayth, Baron (E, 1332)". Cracroft's Peerage (英語). 15 April 2012. 2020年7月15日閲覧

関連項目

  • ナヴァンのダーシー男爵英語版

ダーシー・ド・ネイス男爵(1322年創設)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/01 04:43 UTC 版)

「ダーシー・ド・ネイス男爵」の記事における「ダーシー・ド・ネイス男爵(1322年創設)」の解説

初代ダーシー・ド・ネイス男爵ジョン・ダーシー(英語版)(1347年没) 第2代ダーシー・ド・ネイス男爵ジョン・ダーシー(1317年1356年第3代ダーシー・ド・ネイス男爵ジョン・ダーシー(1351年1362年) 第4代ダーシー・ド・ネイス男爵フィリップ・ダーシー(1341年1398年) 第5代ダーシー・ド・ネイス男爵ジョン・ダーシー(1376年1411年) 第6代ダーシー・ド・ネイス男爵フィリップ・ダーシー(1397年1418年) - 死去に伴い爵位6代男爵の娘2人の間で停止:エリザベス・ダーシー - サー・ジェームズ・ストレンジウェイズ(英語版)と結婚 マーガレット・ダーシー - サー・ジョン・コンヤーズ・オブ・ホーンビー(Sir John Conyers of Hornby)と結婚2人の孫初代コンヤーズ男爵ウィリアム・コンヤーズ(英語版)が7代ダーシー・ド・ネイス男爵の先祖にあたる 第7代ダーシー・ド・ネイス男爵コンヤーズ・ダーシー(英語版)(1570年1654年) - 1641年停止状態が解消 初代ホルダーネス伯爵第8代ダーシー・ド・ネイス男爵コンヤーズ・ダーシー(英語版)(1689年没) 第2代ホルダーネス伯爵第9代ダーシー・ド・ネイス男爵コンヤーズ・ダーシー(英語版)(1620年頃 – 1692年第3代ホルダーネス伯爵第10代ダーシー・ド・ネイス男爵ロバート・ダーシー(1681年1722年) 第4代ホルダーネス伯爵・第11代ダーシー・ド・ネイス男爵ロバート・ダーシー(1718年1778年) - 死去に伴いホルダーネス伯爵廃絶、ダーシー・ド・ネイス男爵位休止 法律上第12代ダーシー・ド・ネイス女男爵アメリア・オズボーン旧姓ダーシー1754年1784年) 第6代リーズ公爵法律上第13代ダーシー・ド・ネイス男爵ジョージ・ウィリアム・フレデリック・オズボーン(1775年1838年第7代リーズ公爵法律上第14代ダーシー・ド・ネイス男爵フランシス・ゴドルフィン・ダーシー=オズボーン1798年1859年第12代コンヤーズ男爵法律上第15代ダーシー・ド・ネイス男爵サックヴィル・レーン=フォックス1827年1888年) - 1888年爵位停止 第16代ダーシー・ド・ネイス男爵ヴァイオレット・アイダ・エヴリン・ハーバート(英語版)(1865年1929年) - 1903年停止および休止状態解消 第17代ダーシー・ド・ネイス男爵マーヴィン・ホレイショ・ハーバート(英語版)(1904年1943年) 第18代ダーシー・ド・ネイス女男爵ダヴィナ・マーシア・イングラムス(英語版)(1938年2008年) 第19代ダーシー・ド・ネイス男爵カスパー・デイヴィッド・イングラムス(1962年 – )法定推定相続人19男爵長男トマス・ルパート・イングラムス閣下(Hon. Thomas Rupert Ingrams、1999年 – )。

※この「ダーシー・ド・ネイス男爵(1322年創設)」の解説は、「ダーシー・ド・ネイス男爵」の解説の一部です。
「ダーシー・ド・ネイス男爵(1322年創設)」を含む「ダーシー・ド・ネイス男爵」の記事については、「ダーシー・ド・ネイス男爵」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ダーシー・ド・ネイス男爵」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ダーシー・ド・ネイス男爵」の関連用語

ダーシー・ド・ネイス男爵のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ダーシー・ド・ネイス男爵のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのダーシー・ド・ネイス男爵 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのダーシー・ド・ネイス男爵 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS