タサ正面
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/11 14:15 UTC 版)
「10月14日の戦車戦」の記事における「タサ正面」の解説
第143予備役機甲師団の展開するタサ正面でもイラク軍のホーカー ハンター攻撃機による空爆と砲撃ののち、エジプト軍の第21戦車師団が進撃を開始した。第21戦車師団の第14戦車旅団はタサ手前の稜線、コード名「ハムタル」に向かったが、そこにはイスラエル軍の第421予備役機甲旅団が待ち構えていた。第421予備役機甲旅団は第14戦車旅団を「ハムタル」手前まで引きよせ、戦車、野砲、迫撃砲、機関銃といった各火力で反撃した。第14戦車旅団が混乱すると第421予備役機甲旅団は北側から部隊を送り込んで包囲し、第14戦車旅団の退路を遮断した。第14戦車旅団は撃破された戦車約40両を残してなんとか退却したが、その最中もイスラエル軍によって砲撃を浴びせられた。第421予備役機甲旅団は2両が被弾した。 「ハムタル」の1km東、「ハマディア」稜線では、エジプト軍の第1戦車旅団とイスラエル軍の第14機甲旅団が同じような戦闘を繰り広げた。第14機甲旅団長アムノン・レシェフ大佐は手持ちの戦車3個大隊のうち2個大隊を稜線の後ろに下げ、第1戦車旅団を1,000mまで引き寄せてから射撃を開始した。もう一個の大隊は南から迂回して第1戦車旅団を攻撃した。一時第14機甲旅団と第1戦車旅団の交戦距離は100ヤード(約93m)にまで達したが、第1戦車旅団は93両の戦車を喪失するという壊滅的打撃を受けた。一方第14機甲旅団の損害は戦車3両、すべて対戦車ミサイルによるものであった。 午後3時までには戦闘は下火になり、最終的に第21戦車師団は戦車110両を喪失した。あまりにも一方的な戦闘だったので第143予備役機甲師団長アリエル・シャロン少将はレシェフらに無線で自分たちがわざと敗走しているふりをするよう命じ、煙幕も展開させてエジプト軍をおびき寄せようとしたが、エジプト軍はそれに構わず退却した。
※この「タサ正面」の解説は、「10月14日の戦車戦」の解説の一部です。
「タサ正面」を含む「10月14日の戦車戦」の記事については、「10月14日の戦車戦」の概要を参照ください。
Weblioに収録されているすべての辞書からタサ正面を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
全ての辞書からタサ正面 を検索
- タサ正面のページへのリンク