セーフワード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 18:57 UTC 版)
あくまでもSMはトップとボトムの間に信頼関係を前提としているロールプレイである。ボトムはプレイ中にトップの気分を高揚させる目的で「痛い」「やめて」などの悲鳴を発することが多い。しかしプレイ中、ボトムに心身の異常が発生した場合には中断の意思をトップに伝える必要がある。生命に関わる事故を未然に防ぐ為、セーフワードと呼ばれる合言葉をプレイ前に設定しておくことが推奨されている。 また、セーフワードは稀にトップがボトムに対して用いるケースもある。責めに対するボトムの異常な反応に対してどう対処してよいかわからない場合や、プレイが長時間に及び責める体力や気力が尽きた場合などにトップ側からプレイを中断する目的でも使用される。 セーフワードは欧米圏では「Yellow」と「Red」の二つの単語が用いられることが多く、前者は「少しきついので責めを弱くしてほしいが、プレイは続行してもよい」、後者は「異常事態なので直ちに中断してほしい」という意味で解釈される。また、世界的な共通事項として「セーフワード」という単語を叫ぶことは、それ自体がセーフワードとしての効力を有するとされる。セーフワードはトップとボトムの合意事項でどのような単語を定めてもよいため、プレイ中の誤認を防ぐ目的で、その時のプレイ内容とは何ら関係のない単語を設定することも行われる。 プレイ内容により、猿轡を用いるなどしてボトム側が言語能力を制限されている場合には、首を横に何度も振る、タップアウトする、SOSなどの規則的な叫びを何度も発するなどの方法が用いられる場合があり、拘束具や緊縛プレイなどで身体的なジェスチャーが困難な場合には、予めボトムの手にハンカチなどを握らせておき、ボトムの手からハンカチが落ちた場合には何らかの異常事態が発生したと判断する方法もある。どのような方法を用いる場合でも、トップがボトムのセーフワードを認知した場合には、直ちに全てのプレイを中断すること、ボトムがトップのセーフワードを認知した場合にはプレイの中断を果断なく受け入れることが、SMにおける最低限のルールであり、これを承知しないパートナーとはプレイを行うことは望ましくないとされている。 セーフワードはSMにおける最後の安全装置の役割を果たす為、それを設定することによりプレイがつまらなくなるかもしれないという懸念がある一方で、パートナー同士の互いの限界を見極める鍵となる要素にもなる為、パートナー同士がより高度なプレイに発展する為には、ボトムがセーフワードを使うまで容赦なく責めを強化してもよいと解釈しうる場合もある。また、パートナー同士が極めて高い信頼関係と深い経験を有する場合には、敢えてセーフワードを設定せずプレイに及ぶエッジプレイと呼ばれるスタイルを敢行する場合もある。
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