セメント質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/18 05:26 UTC 版)
セメント質は歯の発生の中でエナメル質や象牙質に比べて遅れて作られる。セメント芽細胞がセメント質を産生する。無細胞セメント質と有細胞セメント質の二種類がある。 二種類のうち、無細胞セメント質が先に作られる。セメント芽細胞は濾胞上皮細胞から分化する。ヘルトビッヒ上皮鞘が下がり始めた時、セメント芽細胞が歯根の表面に届く。セメント芽細胞は歯から遠ざかる前に、歯面に直角に、コラーゲン繊維を分泌する。セメント芽細胞が移動すると共に、さらに多くのコラーゲンが、繊維の束を長く厚くするために産生される。骨シアロタンパク質やオステオカルシンのような非コラーゲン性のタンパク質も分泌される。無細胞セメント質は、タンパク質や繊維を含んでいる。石灰化が起こると共に、セメント芽細胞はセメント質から離れ、表面に残された繊維は、最終的に歯根膜となる。 有細胞セメント質は歯の形成がほぼ終わり、対合歯と咬合した後から作られる。有細胞セメント質は、歯根膜の束の周囲に急速に形成される。有細胞セメント質を作るセメント芽細胞の移動が間に合わず、それ自身が産生するセメント質の中に閉じこめられるようになる。この細胞をセメント細胞と呼ぶ。 有細胞セメント質を作るセメント芽細胞と無細胞セメント質を作るセメント芽細胞で由来が異なっていると考えられている。現在存在する主な仮説のうち一つは、無細胞セメント質を産生するセメント芽細胞が歯小嚢から発生している一方、有細胞セメント質を産生するセメント芽細胞は、骨隣接部から来ていると言われている。それにもかかわらず、有細胞セメント質は単根歯において通常見つからないことが知られている。小臼歯及び大臼歯において、根先端部と根間部でのみ見つかる。
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セメント質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/21 20:43 UTC 版)
詳細は「セメント質」を参照 セメント質は歯根を覆う特殊な骨のような物質で、約45%の無機質(主にヒドロキシアパタイト)、33%有機質(主にコラーゲン)、22%の水分からなる。セメント質は歯根内部のセメント芽細胞 より分泌され、歯根部で最も厚い。色合いは黄色がかっており、象牙質やエナメル質よりも柔らかい。セメント質の主な役割は、歯周靭帯が安定のため歯に付着できる媒体としての機能である。セメント-エナメル境では、セメント質は細胞成分不足のため無細胞であり、この無細胞型が歯根の少なくとも2/3を覆っている。セメント質の透過性が多い形態である細胞型セメント質が、歯根頂部の約1/3を覆っている。
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セメント質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 14:00 UTC 版)
歯根全面を覆う硬組織。約60%がヒドロキシアパタイトを主成分とする無機質、25%が有機物、15%が水からできている。
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