スペクタクルの社会
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/05 10:11 UTC 版)
「シチュアシオニスト・インターナショナル」の記事における「スペクタクルの社会」の解説
スペクタクルはギー・ドゥボールによって、著作「スペクタクルの社会」の中で用いられた用語で、シチュアシオニスト理論の中心概念である。狭義では「その最も明白で表在する兆候」であるマスメディアを指す。 ドゥボールによれば1920年代後半がスペクタクルの到来とされる。 スペクタクルの批判は有用商品へのフェティシズム、具象化、疎外、といったマルクスの概念、またルカーチ・ジェルジによって1923年に再演された方法の適用と発展である。スペクタクルの社会においては、商品は労働者や消費者に支配されるのではなく、逆に彼等を支配してしまう。そこで消費者は具体化されたスペクタクルを凝視する受動的な主体となる。 1958年ごろから、ドゥボールはシチュアシオニストのマニフェストにおいて、パブリックな公的文化を”いかさま”であるとした。一見自由を装いながら、その内部では社会革命的な思想が公文化の文脈に流入することは、注意深く退けられている。そうした思想はまず瑣末化、滅菌され、社会の主流に安全な形で取りこまれる。そして支配的な思想に若干の彩りを与える程度まで矮小化されてしまう。公的文化のこのやり方を「Recuperation(治療)」、それに対する対抗手法を「Détournement(剽窃)」とした。
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