スピーカーユニットへの利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/29 17:21 UTC 版)
「アルニコ磁石」の記事における「スピーカーユニットへの利用」の解説
外磁型と内磁型 アルニコ磁石はスピーカーユニットによく用いられている。スピーカーユニットに使用するアルニコ磁石は丸棒型をしており、帯状の軟磁性体材料を四角に折り曲げてくびき穴を開けた、ないし円筒状のヨークと、このくびき穴の内側にある丸棒状のセンターポール(これも軟磁性体材料)に接着されている。このような構造を「内磁型」という。ヨークのくびき穴とセンターポールの隙間に磁束が集まるので、そこにボイスコイルを置いて接着されているコーン紙を振動させて音を発生させる。 冒頭で述べた通り、20世紀半ばよりフェライト磁石がアルニコ磁石を置き換えていったが、フェライトの特性上、強い磁力を得るために長さを短く直径を太く、丸棒状というよりは円盤状にする必要があり、必然的にドーナツ状の「外磁型」にせざるをえない。そうするとユニットが嵩張って扱いに不便となる。また磁場がユニット外部に漏れるため、磁場の影響が問題視される機器にスピーカーを近づける事ができなくなる。ブラウン管式のテレビがまさにそれであり、いわゆるAV化において不利であった。これに対しアルニコ磁石は、長さを長くして前述のように丸棒状にした方が磁力を得るためには有利であり、また保磁力の点でも長くする必要がある。さらに磁場がヨークによって閉じ込められ外部への漏洩が小さく、ユニットは小型にまとまる。難点はユニットが高価になる事と経年に伴う減磁である。 上記の事情から、1980年代半ば以降のAVブームとともに、価格が高くともあえてアルニコ磁石を採用するスピーカーの例が増えた。AV用としてのほか、音質の良さについても@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}物理的根拠がある。すなわち、アルニコ磁石はフェライト磁石と異なり磁石自体に導電性があり、ボイスコイルから生じる逆起電力をショートするので、アンプ部に入り動作を狂わせることが少ないといえることである。もっとも、フェライト磁石を使用しても、ポールピースに銅製のキャップを装着するなどの対策をとることによって導電性をもたせ、同様の効果を得ることは可能である[要検証 – ノート]。
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