スピーカー・マトリックス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 07:17 UTC 版)
「4チャンネルステレオ」の記事における「スピーカー・マトリックス」の解説
「2チャンネル録音 - 2チャンネル伝送 - 4チャンネル再生」の4チャンネルステレオで、通常のステレオフォニック再生装置の出力から、単純なスピーカー結線で4チャンネル再生をする方式。理論的には、左チャンネルと右チャンネルの位相差より、後ろ側左チャンネルを左チャンネルから右チャンネルの差 (L-R)、右後ろ側チャンネルを右チャンネルから左チャンネルの差 (R-L) となるように結線することで立体的な音響効果を得ようとする擬似的4チャンネルステレオである。代表的な結線の方法は、 左後ろ側スピーカーのプラス極をアンプ左チャンネルのプラス極に接続する。 左後ろ側スピーカーのマイナス極は、右後ろ側スピーカのマイナス極に接続する。 右後ろ側スピーカーのプラス極をアンプ右チャンネルのプラス極に接続する。 このようにスピーカー・マトリックスは、スピーカーコードとスピーカさえあれば特別な機材無しに簡便に実現できるのが特徴である。また、デコーダーを通さないので音質の劣化が無いのが長所とされた。ただし、使用するスピーカーの能率・音色を考慮する必要があり、組み合わせが限られるのが欠点である。 単なるスピーカー結線に限らず、コイルや抵抗を繋ぐ方法も存在する。抵抗の値を変える事で能率のコントロールが可能でスピーカーの組み合わせの自由度が高まるが、音質劣化を伴う。 メーカー製品であっても、ミニコンポやラジカセのような安価な製品、テレビのようなオーディオ部分にコストをかけない製品の場合は、デコーダーを内蔵せず、スピーカー・マトリックスを採用した4チャンネル再生の例も見られた。 オーディオ評論家の長岡鉄男によるものが特に有名である。長岡は上記のような4チャンネル再生に限らず、3チャンネルや5チャンネルなど、様々な方法を提起している。
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