ステルス機の欠点と制限
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 22:22 UTC 版)
「ステルス機」の記事における「ステルス機の欠点と制限」の解説
空力的不安定性 ステルス機はレーダー反射断面積(RCS)を減少させるために、空力的洗練度は犠牲にした造形とせざるを得ない。このため機体制御が困難になりやすく、この解決には高性能な機体制御系統やフライ・バイ・ワイヤなどの最先端技術が必要となる。 電波使用制限 レーダーなどを使用し自ら電波を発信すると、逆探知されてしまい、せっかくのステルス性が台無しになる。このためステルス機は、ごく短時間、必要なときだけ標的周辺にのみレーダー波を照射するに留めるなど、電子機器の使用が大きく制限される。 搭載量 爆弾やミサイルなどを機外装着すると、RCSが増大してステルス性が失われる。このため、ステルス性維持の為、兵器を全て機内格納する必要があり、同じ大きさの非ステルス機に対し兵装搭載量が少なくなりがちである。 維持費 高度なステルス性を維持するには、常に機体表面の研磨や電波吸収性塗料による塗装が必要不可欠である。この為、維持費・整備費が高価になる。 領空侵犯への対応 領空侵犯に対するスクランブル任務は、相手に自らの姿(武装を含め)を見せて警告を行うため、レーダーに映りにくい、武装を機内に収納する傾向があるステルス機には不向きである。また、スクランブル時に同世代の非ステルス機と対峙した場合には、運動性能に劣るステルス機側がドッグファイトで後手を踏む可能性も生じる。
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