スクール‐ソーシャルワーカー【school social worker】
読み方:すくーるそーしゃるわーかー
スクールソーシャルワーカー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/15 03:25 UTC 版)
「スクールカウンセラー」の記事における「スクールソーシャルワーカー」の解説
一方、文部科学省が2008年度より開始した事業に「スクールソーシャルワーカー活用事業」がある。 ソーシャルワーカー(ケースワーカー)とは、主に社会的弱者への福祉相談業務に従事する福祉職専門家であり、スクールソーシャルワーカー(SSW)は、その中で教育機関において当該の任に就く者のことである。資格要件は、社会福祉士や精神保健福祉士などの有資格者のほか、過去に教育や福祉の分野において活動経験がある者も含むなど、人材の専門性は様々である。 スクールカウンセラーおよびスクールアドバイザーとの同異については、児童・生徒、保護者、教職員へ専門的知識によって関わる点は両者ともに共通するところであるが、スクールカウンセラーおよびスクールアドバイザーが、児童・生徒、保護者、教職員などの「個人」の理解を起点として発生した問題に対応するのに対し、スクールソーシャルワーカーは、それらの個人により構築されている「環境」の理解を起点として発生した問題に対応する。 すなわちスクールソーシャルワーカーは、児童相談所を始めとした行政機関や社会資源などの外部機関と当該教育機関との連携環境の構築、あるいは保護者の経済状況や就労状況などの生活面で、特に重大な困難や福祉的援助の必要性が認められる家庭への、社会保障・生活保護提供などを含めた自立支援相談が具体的な職務内容となる。 しかしながら、無論スクールカウンセラーやスクールアドバイザーの職務や視点に「環境」のコーディネートは含まれ、一方スクールソーシャルワーカーの職務や視点にも「個人」のケアは含まれるため、職務遂行に当たって両者の立場が重なることがあり、お互いが戸惑いを覚え、現場の教職員はさらに戸惑う場合がある。 翻って起源をたどれば、そもそもスクールカウンセラー、スクールアドバイザー、スクールソーシャルワーカーらは、旧来教職員のみで対応してきた業務を細分化し、それぞれを高度に専門化させた上で外部化した物であり、そうすることでより充実した教育相談体制・教育機関支援体制を実現することを旨とする。したがって、混乱無き様それぞれの立場の職務を今以上に明確にすることや、その上で有効利用されるために周知徹底を行うこと、そしてそれぞれが専門家資源として効果的に機能するために有機的な連携を図ることで、教育体制により一層資することが今後望まれる。
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