シーズン1の主題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/27 23:04 UTC 版)
「X-ファイル シーズン1」の記事における「シーズン1の主題」の解説
クリス・カーターが『X-ファイル』の着想を『事件記者コルチャック』や『トワイライトゾーン』から得たとはいえ、カーター自身が語っているように、シリーズ全体のコンセプトはUFOに関する伝聞・言説に由来するものである。ジョン・エドワード・マックの一連の著作群(特に、「アメリカ人の3%がエイリアンに誘拐されたことがあると思っている」という研究)を読んだとき、カーターはシリーズの核となるテーマを発見したと思ったという。カーターは『事件記者コルチャック』のように主人公が行った先々で奇怪な事件に遭遇し、一般人がそれを見事に解決するという不自然な展開を避けようとした。そこで、超常現象に関する事件に特化したFBIの部署を設定に加えた。そうすることで、主人公2人が毎週のように怪事件に遭遇しても、視聴者が違和感を覚えにくくなった。構想の初期段階において、カーターは視聴者に違和感を抱かせないようにエピソードの大半を「超常現象かと思ったが、実はいたずらや偶然の類だった」というような内容にしようとしていた。しかし、主人公2人をFBI捜査官としたことで、このようなエピソードを作らずに済むようになった(ただし、シーズン3第20話「執筆」は例外であった)。 構想の初期の段階で、主人公の1人を「真実を追う者」に、もう一人を「懐疑主義者」にすることが決まっていた。「真実を追う者」とはフォックス・モルダーのことである。子供時代に妹サマンサの誘拐現場を目撃し、それが宇宙人の犯行だと信じている人間である。また、「懐疑主義者」とはダナ・スカリーのことである。スカリーは『羊たちの沈黙』に出てきたクラリス・スターリング捜査官にインスパイアされたキャラクターである。クラリス捜査官のように、「実際にいてもおかしくない」ようなキャラクターにする必要があると感じていたからこそ、カーターはFOX側の「セクシーな美女を起用しろ」という要求を拒否したのである。 『X-ファイル』では、エイリアンの陰謀を軸にしつつも、主軸とは関係のない様々なエピソードが展開されている。そのことに関して、ダニエル・サックハイムは「『X-ファイル』は決まったスタイルがないというスタイルのドラマなんだ。こうした不定形のスタイルは、製作スタッフ全員が視聴者を怖がらせるような小品映画を作ろうとして生まれたものなんだ」と語っている。
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