シリーズ1 3.8リットル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/24 12:09 UTC 版)
「ジャガー・Eタイプ」の記事における「シリーズ1 3.8リットル」の解説
1961年、ジュネーブショーにて華々しいデビューを飾ったEタイプは、美しいボディラインのみならず、当時としては夢のような最高速度240km/hを標榜し、人々の憧れの的となった。ボディーはオープン2シーターとクーペの2つから選ぶことができた。前者はロードスターの名で呼ばれることが一般的である。 エンジンは内径φ87mm×行程107mmで3,781cc、圧縮比9.0、直列6気筒DOHCのXKエンジンに3連SUキャブレターを搭載しモス製の4速MTの組み合わせで265hp/5,500rpm、36.0kgm/4,000rpmと発表されたが、同様のエンジンを積むジャガー・Mk-2がツインキャブではあるものの220hp/5,500rpmであるところから現在では疑問視されている。ブレーキはダンロップ製のディスクブレーキ、サスペンションは4輪独立懸架(フロントがダブルウイッシュボーンにトーションバー、リアは2本ずつのショックアブソーバーとコイルスプリングを備えた変形ダブルウイッシュボーン)を採用していた。なおこの形式はXJシリーズにも踏襲され、少しずつ形を変えながら1990年代まで生き永らえた。ステアリングはラック・アンド・ピニオンであった。車輪はワイヤーホイールが標準で用意されていた。 このモデルにおいては容量不足のブレーキと、古い設計で1速がノンシンクロであったモス製トランスミッションが不評を買った。また内装においてはグランツーリスモとしては不充分なバケットシート、またセンターコンソールの欠如が顧客の不満を招いたようである。ジャガーとしては新たな試みで美しくスポーティではあった内装のアルミニウム製パネルも高級感という点においては今ひとつであった。 最初期のモデルには通称「フラットフロア」と呼ばれるモデルが存在する。これは運転席床パネルが文字通りフラットなモデルで、発売開始から1年も作られていないためマニアの間ではかなりの希少価値があるとされている。しかし実際は運転の際にペダル操作がしにくいため、敬遠する向きもあるようだ[要出典]。これ以降のモデルはフットウェル(かかとを置くスペース)が設けられ、フロアは若干下に飛び出ることとなり、外観からも見分けることが可能である。
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