シュターツカペレ・ドレスデンと今後の活動
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「クリスティアン・ティーレマン」の記事における「シュターツカペレ・ドレスデンと今後の活動」の解説
今後、ティーレマンは2012年のシーズンより7年間の契約で、チューリヒ歌劇場に転出するファビオ・ルイージの後任として、シュターツカペレ・ドレスデン(以下SKD)の首席指揮者に就任した。2009年9月の定期演奏会をルイージが病気キャンセルした際、ティーレマンがその代役としてブルックナーの交響曲第8番を指揮し、それをきっかけとして、かねてよりルイージの後任を探していたドレスデンとの交渉が急速にまとまったのである。 ただし、ルイージは、同楽団が行う2010年ジルベスター・コンサートの指揮者にティーレマンが指名されたことを理由として、任期満了を待たずに一方的に契約を解除している。もっとも、ルイージの辞任に関しては、この件のみが原因ではなく、もともとのSKDとの関係悪化が原因であるとの意見がある。ティーレマンは、ルイージが辞任したことによって音楽総監督・首席指揮者が欠けた穴を埋めるべく、首席指揮者就任に先んじて事態の収拾に努めている。 SKDのジルベスター・コンサートがZDFによって放送されるのは2010年が初めてのことであるが、その生中継は同日の同じ時間にARDによって生中継されたグスターボ・ドゥダメル指揮ベルリン・フィルによるジルベスター・コンサートの視聴率を上回り、早くもティーレマンとSKDの人気の高さを見せつけることとなった。また、このコンサートの模様を収めたCD・DVDはドイツ・グラモフォンよりスピード・リリースされた。 ドレスデンにおけるポストは、まずはザクセン州立ドレスデン歌劇場の専属管弦楽団であるシュターツカペレ・ドレスデンの首席指揮者にとどまるが、発表された活動内容によるとオペラ上演にも多く関わる模様である。同楽団には2003年に初登場して以来、これまでも度々客演しており、ほとんどの楽団メンバーとはバイロイト音楽祭でも共演しているため、この組み合わせによる今後の活躍が期待されている。 加えて、2013年からは、ザルツブルク復活祭音楽祭の芸術監督に就任し、SKDとともに同音楽祭に出演することが決まっている。この音楽祭は、カラヤンが故郷ザルツブルクにおいて、ベルリン・フィルを起用しオペラ上演を行うことを目的として創設したものであり、カラヤン死後も基本的にベルリン・フィルとその歴代音楽監督によって引き継がれてきた。しかし、2011年、サイモン・ラトルおよびベルリン・フィルはザルツブルクからの撤退を一方的に通告し、契約を打ち切ったのである。その後任として、ティーレマンおよびSKDが選ばれたのであった。
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