サージ抑制用素子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/28 04:33 UTC 版)
2018年現在、4種類程度ある。 ガス入り放電管 (GDT=Gas Discharge Tube) 最も古くからあるサージ抑制用素子である。放電による電圧制限特性を利用したものである。古くは一対の放電電極を空気もしくは真空雰囲気中に配したものであったが、今日ではネオン、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気中に電極を配したものが一般的である。従ってその特性はパッシェンの法則に従う。よって侵入したサージ電圧により放電電極間に放電が生じると、電極間のインピーダンスが急激に低下、ほぼ短絡状態となり、サージ電圧を非常に低く抑制することができる。 なお、サージ防護素子がサージの処理を開始する電圧を動作開始電圧といい、サージ防護素子の動作によって抑制された電圧のことを制限電圧という。 GDTに電源が接続されている場合には、サージ侵入が終息しても、電源電圧と供給電流により放電が継続し、放電電極間に電源からの大きな電流が流れ続ける。これを続流 (follow current) という。また放電を利用するものであるため、放電が形成されてサージの処理開始となるまでにはある程度の時間を要する。これを応答遅れという。 なお、用いている自然法則の異なる他のサージ抑制用素子、その発生原理の異なるものについても、その同一の現象であることから便宜上、それらについてもこれらの言葉を用いて説明されている。 金属酸化物バリスタ (MOV=Metal Oxide Varister) 金属酸化物を主成分とするセラミック(金属酸化物粉末の焼結体)の非線形特性を利用したサージ抑制用素子である。 アヴァランシェダイオード (ABD=Avalanche Breakdown Diode) シリコン半導体のPN接合でのアヴァランシェ(なだれ)降伏を利用したサージ抑制用素子である。 サージ抑制サイリスタ (TSS=Thyristor Surge Suppressor) 2端子サイリスタPNPN構造を基本とするサージ抑制用素子である。
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