サージ電圧の発生
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/11 15:14 UTC 版)
サージ電圧Esは定常電流i を妨げる方向に発生する。 E s = − L d i d t {\displaystyle Es=-L{di \over dt}} すなわち、短時間に大きな電流変化があるほど、また回路のインダクタンスLが大きいほど、サージ電圧は大きくなる。 同様に磁束ΦB の変化によっても発生する。すなわち、 E s = − d Φ B d t {\displaystyle Es=-{{d\Phi _{B}} \over dt}} 特に回路の開閉に伴い発生するものは、数A程度の小電流回路の開閉であっても、数マイクロ秒の間に数万Vを超えるほどのものにもなることがあり、その時間変化は衝撃的なものである。このため「インパルス電圧」(impulse voltage)とも呼ばれる。 雷によるものでは、短時間に大きな減衰振動電流が生じ、短時間に大きく変動する電磁界を形成するため、回路に雷電流が直接侵入しなくても、その短時間の大きな磁束変化により、近傍の回路には大きなサージ電圧が誘導される。これが典型的な「誘導雷サージ」である。 問題となるのは、電気機器などの回路の絶縁を破壊するレベルの高電圧とこれに伴う大電流(サージ電流)である。電気機器などの回路を破壊するほどではないが、その動作に不具合を生じるレベルのものは「ノイズ」として区別されている。従って、どの程度までのものを「ノイズ」とし、どの程度以上のものを「サージ」とするかについては、電気機器などによってそれぞれ異なったものとなっている。
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