パッシェンの法則とは? わかりやすく解説

パッシェンの法則

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/26 01:57 UTC 版)

パッシェンの法則(パッシェンのほうそく)は放電のおこる電圧(火花電圧)に関する実験則である。ドイツの物理学者、フリードリッヒ・パッシェン (Friedrich Paschen) が1889年に提出した[1]

パッシェン曲線:ガス圧と電極間隔の積と火花電圧の関係

平行な電極間で火花放電の生じる電圧V はガス圧と電極の間隔の積の関数であることを示した。

V = f (p d )

ここで p はガス圧 (Torr)、d は電極間の距離 (m) である。

火花電圧と p d の関係は気体の種類によって異なるが、p d が 10−2 から 10−1 Torr・mの範囲で火花電圧の最低値がみられる。この関係を図示したものをパッシェン曲線とよぶ。

理論

火花放電は、電界で加速された電子が気体分子と衝突し、気体を電離させることによっておこる。そのため、気体が少なくなると衝突が起こりにくくなり、逆に気体が多くなると電子が衝突までに充分加速されにくくなるので、p dが大きすぎても小さすぎても必要な電圧は大きくなり、その中間で最低値をもつ。

脚注

  1. ^ Friedrich Paschen (1889). “Ueber die zum Funkenübergang in Luft, Wasserstoff und Kohlensäure bei verschiedenen Drucken erforderliche Potentialdifferenz”. Annalen der Physik 273 (5): 69–75. doi:10.1002/andp.18892730505. 




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「パッシェンの法則」の関連用語

パッシェンの法則のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



パッシェンの法則のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのパッシェンの法則 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS