ゴーストライター問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 18:57 UTC 版)
2014年(平成26年)2月5日、18年にわたり佐村河内守のゴーストライターを務めていたことを公表した。記者会見では佐村河内は聴覚障害者ではない疑いがあることも明かした。新垣の電話による申し出により所属する大学が同年2月6日付の退職を決めたが、学生がネット上で慰留を求める署名活動を行なったこともあり、決定は白紙に戻った。しかし、新垣はけじめをつけたいとして同年2月13日に大学に辞表を提出し、3月末での退職をあらためて希望、大学は2014年度非常勤講師委嘱の辞退を受け入れることを決定した。 佐村河内と出会った25歳当時の状況は「少年時代には、ピアノでプロのヴァイオリニストと共演し早熟の天才と呼ばれたこともあった」が、「大学から得られる報酬は月に数万円程度」で「普段は町のピアノ教室やヴァイオリン教室の発表会の伴奏をしたり、レッスンの伴奏をしたりして糊口を凌いで」いたと記事中で描写されている。 ゴーストライターについて新垣は「私は、お金とか名声が欲しいのではありませんでした。佐村河内の依頼は現代音楽ではなく、調性音楽でしたから、私の仕事の本流ではありません」、「彼の申し出は一種の息抜きでした。あの程度の楽曲だったら、現代音楽の勉強をしている者だったら誰でもできる。どうせ売れるわけはない、という思いもありました」、「自分が作曲した作品が、映画音楽であれゲーム音楽であれ、多くの人に聴いてもらえる。その反響を聴くことができる。そのことが純粋に嬉しかったのです」などと語っている。 2015年5月7日、森達也の製作により、この一連の騒動がドキュメンタリーとして映画化されることが報じられ、2016年6月4日から『FAKE』の題で全国公開された(配給:東風)。森は、佐村河内と新垣の見方や関係がひっくり返るかもしれないと話していたという。当映画に対し新垣の所属事務所は公式サイトで反論している。新垣が出演したバラエティ番組(THE FACE OF 2014)において、「(佐村河内は)楽器は、弾けるというレベルではない」と発言し、番組側もテロップで「楽器の演奏はほぼ出来ない」と表示して佐村河内の実態を暴いたが、その番組を視聴していた佐村河内が演奏し、打ち込みで作曲する姿がドキュメンタリーのなかで示された(※番組制作サイドが佐村河内の自宅を訪れ、佐村河内を貶めるような扱いはしないと約束するシーンが撮影されているにもかかわらず、このような番組を制作されてしまい、悲しみに暮れる佐村河内とその妻が描かれる)。 2015年6月17日、反省自伝本であり初著書となる「音楽という<真実>」(小学館)が出版された。
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