コンピュータ性能の限界
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 08:13 UTC 版)
「人工知能の歴史」の記事における「コンピュータ性能の限界」の解説
実用化に当たっては、コンピュータのメモリ容量や速度の不足は深刻であった。例えば、Ross Quillian の自然言語処理プログラムはわずか20の語彙しか扱えず、それが当時のメモリに収まる限界だった。1976年、ハンス・モラベックはコンピュータが知性を持つには数百万倍も強化する必要があると主張した。彼は、人工知能がコンピュータの能力を必要とするのは、航空機が動力を必要とするのと同じだという比喩を示唆した。あるしきい値以下では不可能だが、性能が高まっていけば最終的に容易に知性が得られるだろうと主張した。例えばマシンビジョンについてモラベックは、人間の網膜がリアルタイムで物体の境界や動きを検出する能力を機械で実現するには、毎秒109回の命令実行が可能な(1000 MIPSの)汎用コンピュータが必要だと推定している。2011年現在、実用的なコンピュータビジョンのアプリケーションは10,000から1,000,000MIPSの処理能力を要する。1976年当時の最速のスーパーコンピュータ Cray-1 は、せいぜい80から130MIPSの能力であり、当時のデスクトップ型コンピュータは1MIPSにも達していなかった。
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