ケスタ地形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/08 10:40 UTC 版)
「ノースダコタ州の地理」の記事における「ケスタ地形」の解説
州の地形を2分する線が2つある。一つが、州の北西から南東にかけた対角線に当たる直線、国道52号線の南西10kmを道路と平行に走っている線である。これはケスタ地形を特徴づける長大な崖だ。正確にはケンメアの東、マイノット市の南西、ハービーの南西、ジェームズタウン市の西を結ぶ線上に崖が連なる。特に州北西部から現在のマクレーン郡に至る部分については判別が容易く、合衆国編入以前のフランス人がすでに認識していた。19世紀末に至るまでフランス語のまま PLATEAU DU COTEAU DU MISSOURI (ミズーリ分水界)と呼ばれてもいた。 ケスタの外見は写真のように「稜線」の一方が崖、もう一方が緩やかな傾斜をもつ連続した丘陵である。横断面が非対称であることが特徴だ。構造平野に発達しやすく、特にある方向に緩やかに傾斜し、石灰岩などの硬い堆積層と頁岩などの軟らかい堆積層が交互に重なっていることが成立条件となる。このような平野で浸食が進むと地層の硬さによる選択的な浸食が起こり、軟質の堆積層のみが浸食されていく。硬質な堆積層が残り、図のような丘が形成される。緩やかな斜面の傾斜は堆積層の傾斜と一致する。丘の間隔は堆積層の傾斜角のほか、堆積層の数と厚さに依存する。ノースダコタ州の場合、丘の数は2つしか認められない。すなわち、州の中央を斜めに横断する線と、州北東端ペンビナ郡にわずかにかかる線である。パリ盆地、ロンドン盆地に見られるケスタは、ある一点に向かって傾斜する構造平野に見られるもので、ケスタは同心円状に形成されている。ノースダコタ州のケスタは傾いた平面状の平野で形成されたため、崖が数100kmの長さに亘って続く。 ケスタは標高500mの等高線とほぼ一致し、州を2つに分ける分水界ともなっている。500m線の北東側は基盤となるカナダ盾状地を古生代に形成された地層が覆っている。これは合衆国中西部の州に共通する特徴だ。ケスタの南西側はさらに第三紀に形成された地層が重なる。ノースダコタでは地殻運動が起こらなかったため、ケスタよりも急峻なホグバック地形は見られない。
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