グランゼコールへの入学試験
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/19 03:15 UTC 版)
「グランゼコール準備級」の記事における「グランゼコールへの入学試験」の解説
グランゼコールの入学を希望する生徒は、Classes préparatoires aux grandes écoles(CPGE, グランゼコール準備級)に所属する必要がある。CPGEに進学できる学生の数は限られており、そこからさらにグランゼコールに進学できる学生数も制限されている。 グランゼコールは理工系を中心に政治・経済・軍事・芸術に至るまで職業と関連した諸学について、フランスにおける最高クラスの教育が与えられる。卒業生は近代以降のフランス社会での支配階層を占めており、一例を挙げれば政治系グランゼコールであるフランス国立行政学院はこれまで数十名の大統領や首相を輩出してきた。ENAは大学卒業後難関の選抜試験に合格後入学する。敢えて比較するなら日本の大学院修士課程に相当するが、特に名門中の名門とされるグランゼコールには高等教育機関に所属するフランス国民の内、全体の数パーセントしか進学できないとされている。卒業後は専攻した分野のエリートとして扱われ、実際に政・官・財・学すべての分野においてその卒業生が多数活躍している。結果として、CPGEでは学生が非常に競争的な入学試験を受ける。このようにして極めて選抜的な社会的エリート育成システムがとられている。 1974年頃以前は、余程優秀な学生を除き、労働者階級出身者は少なかった。これは準備学級への進学やグランゼコールの受験に要する費用が多大で教育環境の整備が必要だったため、結果的に有産者階級や知識人層家系の出身者が大多数を占めていたことによる。 学生はこのCPGEで2年間勉学を行うが、1年次から2年次への進級は難しくかつ卒業も難関であり、グランゼコールを目指す者は「太陽を見ることがない」と言われるほどの猛勉強をすることとなる。そのためCPGEの学生はモグラと揶揄されることもある。
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