クローヴィス・ファースト仮説の否定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/05 02:08 UTC 版)
「アメリカ大陸の発見」の記事における「クローヴィス・ファースト仮説の否定」の解説
これに対し、1970年代以降、様々な新証拠が発見され、クローヴィス・ファースト仮説は否定されている。1974年、ブラジル南東部のベロオリゾンテ付近から約1.1万年前の人骨(ルジア・ウーマン)が発見された。1975年、チリ南部で発見されたモンテヴェルデの遺跡からは約1.5万年前に人類が定住していた証拠が発見された。これらの相次ぐ発見は、最終氷期の後期には、すでに南アメリカ大陸に人類が定住していたことを示唆するものであり、ローレンタイド氷床が解けるのを待って人類が南下したとするクローヴィス・ファースト仮説は時系列に重大な疑義が生じた。 その後も、クローヴィス・ファースト仮説の時系列と矛盾する証拠が次々と見つかり、2003年にはブラジルセラ・ダ・カピバラ国立公園にあるペトラ・フラダの遺跡で約4万年前(ただし、年代には異論もある)に人類が火を使用した痕跡が見つかったとの調査結果が発表された。21世紀以降の先住民族の遺伝子調査では、異なる遺伝子を持つ人々の存在が示唆された。 2010年代に入ると、クローヴィス・ファースト仮説を支持する学者はほとんどいなくなり、もはやこれが通説でないことが確認された。現在では、クローヴィス以前に人類がこの大陸に到達していたことはまず間違いないと考えられている。なお、(最初の発見者ではないにしても)クローヴィスの人々が先住民族の重要なルーツの一つであること自体は否定されていない。
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