クラン・タータン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/21 15:19 UTC 版)
「スコットランドの氏族」の記事における「クラン・タータン」の解説
ヴィクトリア朝時代の「タータン熱」以来、特定のクランに属し、特定のクランを示す「クラン・タータン」はスコットランドのクランの重要な要素となっている。タータンの着用やそのデザインならびに命名は自由だが、クランのタータンを「公式に」定める権限は族長の仕事と考えられている。リヨン卿がそのタータンをスコットランド紋章院に登録したように、実際に族長がそのクランのタータンを登録した例もあり、これはタータンが紋章に並ぶクランの権威ある意匠であることを示している。 その一方で、クランに固有のタータンがあるという考えは18世紀後期において行き渡ったものでもある。タータン自体はその起源は5世紀のアイルランドにもさかのぼり、それもヨーロッパ大陸のケルト人がもたらした可能性が示唆されているが、スコットランドにおける記録に確認されるタータンは、傭兵隊などごく限られた団体において同じものを着用する以外、地域による色の傾向こそあれ、その柄は人によりさまざまであり、クランに対応するものではなかった。 ハイランド協会がクラン名に対応するタータンを決め始めたのは1815年のことで、その多くのクラン・タータンは19世紀の『Vestiarium Scoticum』という本を参考に登録されている。この本はソビエスキ・スチュアート兄弟(英語版)の著作で、クランタータンの古写本の複製として売られたが、内容は完全な創作だった。のちに偽物であることが明らかとなったが、その本が起源となって、今も使われているクラン・タータンも多い。
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