クトゥルフ神話における『ヴルトゥーム』
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「ヴルトゥーム」の記事における「クトゥルフ神話における『ヴルトゥーム』」の解説
巨大な美しい花の姿をしており、花弁の中央から美しい妖精めいた人の上半身に似た形の器官が突き出している。花からは幻覚性の芳香を発し、誘惑した者を奴隷化する。1000年の周期で目覚めと眠りをくり返す。 太陽系外からやって来て、宇宙船で火星に降り立った。原住民にテクノロジーや不死を与えることで崇められるようになったが、地下に潜伏したことで、地上では忘れ去られ、神話時代の神・悪魔とみなされるようになった。 初出は先述。作品単発ではクトゥルフ神話ではないので、ヴルトゥームはクトゥルフ神話関連の解説書に載っていないことも多い。ヴルトゥームの名称は、エドガー・ライス・バローズの火星シリーズにおける火星の呼称「バルスーム」との類似が指摘される。 ヴルトゥームをクトゥルフ神話に導入したのは、ラムジー・キャンベル『湖畔の住人』における、文献「グラーキの黙示録」の記述である。その後、リン・カーターによって、ヨグ=ソトースの子であり、クトゥルフ/ハスター/ツァトゥグァたちの異母兄弟に位置づけられる。カーターが拡張して、「無名祭祀書」や「ネクロノミコン」に仮託して述べた説明によると、グレートオールドワンズが太陽系に入植したとき、ヴルトゥームは火星を支配地としたが、指導者タ=ヴォ=シャイとアイハイ族と共に、地下洞窟ラヴォルモスの深淵に、旧神によって幽閉されたということになっている。TRPGでも旧支配者にカテゴリされている。 アイハイ族(火星人)は、地球とは異なり火星の環境で進化してきたヒトである。大部分はごく普通に火星で生活し地球人と交易を持っており、ごく一部がヴルトゥームの秘密カルトを組織して地下に潜伏している。彼らアイハイ族は、TRPGでは奉仕種族とされている。またTRPGには、H・G・ウェルズの『宇宙戦争』の火星人(タコ型吸血人)も取り込まれており、火星にはアイハイ族と火星人の2種族がいることになっている。
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