キリスト教の法王・教皇とイスラム教のカリフの違いとは? わかりやすく解説

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キリスト教の法王・教皇とイスラム教のカリフの違い

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/12 16:11 UTC 版)

法王」の記事における「キリスト教の法王・教皇とイスラム教のカリフの違い」の解説

イスラム教カリフは、ローマ教会教皇法王)に似ているとされる確かにカリフという語は「代理人」を意味し使徒ムハンマド代理人資格イスラム共同体指導したので、使徒ペテロ継承しキリスト代理人自称するローマ教皇とよく似ているまた、アッバース朝期後半からマムルーク朝期にかけては、有力な軍事指導者大アミールスルタンなどの称号授与し、その権威保証するものの、実態においてはまったく名目的儀礼的な支配者に過ぎなかったことは神聖ローマ皇帝教皇の関係に似る。またイスラム教側でキリスト教教皇を『キリストカリフ』と呼んだことにも両者類似性見て取れるしかしながら教皇カリフの間には非常に大きな相違もある。すなわち、ローマ教皇カトリック教会における聖職者最高位ではあるが、カリフ聖職者ではないし、イスラム共同体における宗教的な権威最高位ではない。イスラム教では建前としては聖職者をおかず、また実際にウラマー呼ばれるイスラム教に関する学問修めた知識人聖職者にあたるが、カリフ自身資格にはウラマーである必要も、イスラム学問修めている必要もない。カリフ存在するのはイスラム教の二大宗派のうちのスンナ派であるが、スンナ派では宗教的な解釈などの権威ウラマー学界コンセンサスによって成り立ち、それを動かす力をもつのは学識あると認められ高位ウラマーであってカリフではない。このため高位ウラマー承認によってカリフ廃されこともしばしば起こったカリフマムルーク朝滅亡後いったん途絶え18世紀後半から19世紀オスマン帝国の皇帝スルタンにしてカリフ兼ね存在であるという言説とともに復活するが、この時代においても帝国内の宗務ウラマー最高位であるシェイヒュルイスラーム権限であり、帝国外の宗務についてオスマン帝国の力は及ばなかった。近代におけるカリフ宗教的な指導者ではなく、全スンナ派イスラム世界名目的な首長とらえられていたとみるべきである。これはローマ教皇よりも、当時東ローマ皇帝権威引き継いだ主張するロシア皇帝が、全正教会対す保護者自認していたのに似ている

※この「キリスト教の法王・教皇とイスラム教のカリフの違い」の解説は、「法王」の解説の一部です。
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