キャット・ピープルとは? わかりやすく解説

キャット・ピープル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/27 04:20 UTC 版)

キャット・ピープル』(Cat People)は、猫人間を題材にしたアメリカの怪奇映画、および言及される猫人間のことである。1942年に『キャット・ピープル』、1944年に同じ登場人物を配した続編『キャット・ピープルの呪い』が製作され、前者は1981年にリメイクされた。猫人間のプロットにアルジャーノン・ブラックウッドの「太古の魔術」(Ancient Sorceries)の影響がある。

キャット・ピープル

ポスター (1942)

自分が猫人間の末裔であり、キスをするだけで豹に変身し男性を殺すと信じたヒロインは、求婚され結婚しても、夫との関係を深めることができない。夫は職場の女性に相談するが、その内愛人関係になる。一方、夫に勧められて受診した精神科医師はヒロインに言い寄るが、ヒロインの手にかかり死ぬ。絶望したヒロインは動物園の豹に殺されるべく、豹を檻から逃がしてしまう。

繊細な若い女性の嫉妬と男性恐怖を猫顔のシモーヌ・シモンが見事に演じた。具体的な恐怖の描写は注意深く避けられ、猫人間への変身も暗示するに過ぎない。従って猫人間云々はヒロインの妄想に過ぎず、彼女の言動は潔癖性、大人になることからの逃避、男性への恐れ等によるものだとの解釈も成り立つ。70分余りの当時における典型的なB級映画の枠内で、ヒロインの異常心理を介してホラーとメロドラマとしての二面性を両立させた本作は、サイコホラー映画の古典的名作の一つとみなされており、監督ジャック・ターナーの代表作ともなっている。

キャット・ピープルの呪い

ポスター (1943)

原題: The Curse of the Cat People

  • 1944年作品
  • 監督: ロバート・ワイズ、ガンザー・V・フリッチ
  • 製作: RKOラジオ
  • 出演:
    • シモーヌ・シモン(亡霊ないしは幻影)
    • ケント・スミス(元夫)
    • ジェーン・ランドルフ(夫の元同僚、後妻)
    • アン・カーター(夫と後妻との間に生まれた娘)

続編と銘打っており、内容も後日談となっているが、主題は恐怖というよりも少女、後妻、元夫の心の動きを追った作品である。前作のヒロインの夫と元同僚は後日結婚し、一人娘が生まれた。娘は夢見がちな内向的な少女に育ち、周囲の子供達から浮いた存在になった。ある日、夫が捨て切れずに一枚だけ残しておいた前妻の写真を見つけた少女は、彼女を心の中の友人と呼ぶ。クリスマスの前夜も暖かな家庭を離れ「友人」と迎えた少女だが、町外れの老婆の家で危機に晒される。危機が去った時、「友人」の姿は消え、周囲の人々と心を開きあった少女が残る。

キャット・ピープル (1982)

キャスト

役名 俳優 日本語吹替
ソフト版 フジテレビ テレビ朝日
アリーナ・ガリエ ナスターシャ・キンスキー 三石琴乃 戸田恵子 岡本麻弥
ポール・ガリエ マルコム・マクダウェル 小山力也 寺田農 磯部勉
オリバー ジョン・ハード 大家仁志 富山敬 山寺宏一
アリス アネット・オトゥール 安藤麻吹 高島雅羅 勝生真沙子
フィマーリ ルビー・ディー 小宮和枝 此島愛子 谷育子
ブラント刑事 フランキー・フェイソン 辻親八 内海賢二 麦人
ビル スコット・ポーリン 柳沢栄治 納谷六朗 谷口節
ジョー エド・ベグリー・ジュニア 川本克彦 広瀬正志 田中亮一
ブロンテ ジョン・ラロケット 玄田哲章
ロン・ダイアモンド刑事 ロン・ダイアモンド
ソープオペラの男性 レイ・ワイズ
※ハピネットから発売のBDには、3種類の吹替を全て収録

1942年版のリメイクであるが、獣人(猫人間)の悲恋による破滅が描かれており、ヒロインが黒豹に変身するシーンがある。特殊効果(SFX)を用いた猫人間の変身シーン(ヌード→豹)等、即物的な描写が多い。主題歌をデヴィッド・ボウイが歌い話題になった。

※1983年度サターン賞主演女優部門にナスターシャ・キンスキーが、ゴールデン・グローブ賞ではジョルジオ・モロダーが主題歌と音楽、デヴィッド・ボウイが主題歌部門でノミネートされた(ただし受賞無し)。

脚注

関連項目

外部リンク


キャット・ピープル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/02 01:32 UTC 版)

「キャット・ピープル」の記事における「キャット・ピープル」の解説

ウィキメディア・コモンズには、キャット・ピープルに関連するカテゴリあります1942年作品 監督: ジャック・ターナー 製作: RKOラジオ 出演:シモーヌ・シモンヒロイン) ケント・スミス(夫) ジェーン・ランドルフ(夫の同僚) トム・コンウェイ(医師自分猫人間の末裔であり、キスをするだけで豹に変身し男性を殺すと信じたヒロインは、求婚され結婚しても、夫との関係深めることができない。夫は職場女性相談するが、その内愛人関係になる。一方、夫に勧められ受診した精神科医師はヒロイン言い寄るが、ヒロインの手にかかり死ぬ。絶望したヒロイン動物園の豹に殺されるべく、豹をから逃がしてしまう。 繊細な若い女性嫉妬男性恐怖猫顔シモーヌ・シモン見事に演じた具体的な恐怖の描写注意深く避けられ猫人間への変身暗示するに過ぎない。従って猫人云々ヒロイン妄想過ぎず、彼女の言動潔癖性大人になることからの逃避男性への恐れ等によるものだとの解釈成り立つ。70余り当時における典型的なB級映画枠内で、ヒロイン異常心理を介してホラーメロドラマとしての二面性両立させた本作は、サイコホラー映画古典的名作一つみなされており、監督ジャック・ターナー代表作ともなっている。

※この「キャット・ピープル」の解説は、「キャット・ピープル」の解説の一部です。
「キャット・ピープル」を含む「キャット・ピープル」の記事については、「キャット・ピープル」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「キャット・ピープル」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「キャット・ピープル」の関連用語

キャット・ピープルのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



キャット・ピープルのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのキャット・ピープル (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのキャット・ピープル (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS