ガルタイトから派生した独自製品
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/07/07 22:59 UTC 版)
「ガルタイト (めっき)」の記事における「ガルタイトから派生した独自製品」の解説
日本の鉄鋼メーカーの中には、ガルタイトを元にして、合金元素を工夫することで耐食性などの性能を高めた独自製品を開発・生産している企業がある。日本国内においては、これら独自製品の流通量が大半を占め、本来のガルタイトはごく少量になっている。現在実際に流通しているものとして、以下の製品がある。 ZAM(ザム)…日新製鋼が開発した製品。Znに6%Al+3%Mgの各元素を加えた合金をめっきしている。通常のガルタイトに比べて、5-8倍の耐食性を持つとされる。特に高塩分環境下での耐食性に優れる。独特のキラキラした表面が外見上の特徴。 スーパーダイマ(しばしば「SuperDyma=SD」と略称)…新日本製鐵(現在の新日鐵住金)が開発した製品。Znに11%Al+3%Mg+若干の珪素 (Si) の各元素を加えた合金をめっきしている。ほぼGL並みの耐食性を有するとされる。 エコガル…JFE鋼板が開発した製品。通常のガルタイトに微量のMg+ニッケル (Ni) を加えた合金をめっきしている。MgとNiの含有率が少量(1%以下)のため、本項で記した中では唯一ガルタイトJIS規格品となっている。化成処理でクロメートフリーが標準となっているのが特徴。 同じガルタイトをベースにしているものの、この3製品の特性はかなり異なっている。開発で先行したZAMが、性能のバランスと幅広い製造可能範囲を背景にして、現在では数量面で大きく抜きん出た存在になっている。 ※実際のシェアは、高耐食性溶融めっき鋼板の分野において、日新製鋼がZAMで約80%、新日鐵住金がスーパーダイマで約20%の市場シェアに上る(2014年度)。 なお、ZAMとSDは、各メーカーの独自製品という位置づけで、販売開始以来JIS規格外品であった。しかし、最近の使用量の増大に伴うユーザーからの要望などを受けて、2012年に新たなJIS規格(JIS G 3323 溶融亜鉛-アルミニウム-マグネシウム合金めっき鋼板)が制定され、JIS対応品になった。
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